コロナで公開が半年ほどのびのびt……延びましたね。
前々から言っているとおり、映画等は極力事前知識を入れないで見に行くので、のび太の恐竜、のび太の恐竜2006ときて、三度目の映画化なのかと思っていたら、エッセンスは残しつつの新作なんですね。
ネタバレが嫌な人はここまでで。
珍しく(?)悪役が最後まで出てこない展開。昨年の月面探査記が世界を救うハラハラドキドキのアドベンチャーだったのですが、今作はロードムービー系のお話。
展開はまぁ、ドラえもんだし、子供向けだし、ベタ。伏線もその多くが読める。でも、ジオラマを落としてしまって、それが巨大化して島になっていたってギミックはすっかり忘れていて、おおっ! となったし、冒頭からやたらと鳥が強調されているなと思ったら、そういうことだったのかと。最後の最後もね。
ベタすぎて感動はしなかったです。でもそれでいいんです。出演者の人気だけを頼りに粗製濫造される邦画が多い中、良心的で安心して楽しむことが出来るというのがどれだけすごいことか。
タイムパトロールのお兄さんが結構いい声してるのに演技が絶妙な棒具合で、誰なんだろうと思ったらエンドロールでキムタクだったことが分かって納得。もう一人のオリジナルキャラの女性も芸能人だったみたいだけど、どっちも今作ではちょい役ですね。
あと、まさかのピー助登場は驚いた。けど、あれがピー助だとすると時間軸がめちゃくちゃになってしまうので、ファンサービスと考えておきたいですね。エンドロールにははっきりピー助って書いてあったけど。
毎度思うのですが、のび太一行って、一歩間違えればあっさり命を落とすようなとんでもないことをやってのけてますよね。普通だったら絶対死んでるよねという場面が満載。これは僕には出来ないなぁとか思って見てしまいます。ドラえもんの保護者としての責任感が足りなすぎるのではと思ってやみません。もっと道具を駆使すれば楽できるだろ! とか大人のツッコミを入れてしまうような歳になってしまいました。そう考えると、のび太って実は運動神経、度胸、判断力、どれもとんでもない。言ってしまえばご都合主義ということになるんだろうけど、いいんです。ドラえもんだから。
ストーリー的な疑問があるとすると、最後に色々な恐竜を助けてしまったわけで、キューたちは鳥に繋がる存在だから歴史が変わっていないということでまだいいとして、それ以外の恐竜はどう説明すればいいんだろうか。
歴史を改変していないのだとすれば、キューたち以外は結局その後全て滅びたと解釈するしかないし、それだとのび太たちがやったことは一体……となってしまう。
しかもあれ、陸上の恐竜だけだったし、他の生物は死んでもいいのかっていう。のび太一行の単なるエゴのような気もする。フワッといいことした風にまとめられていたけど、あの辺はもうちょっとどうにかならなかったのかな。
ディープインパクトの描写は良かった!(馬じゃないよ) あれを見て、ディープインパクトを体験できるVRとかあったら絶対やるわと思ったけど、ないですね。誰か作りませんか。
あと、いなごの缶詰に笑ったんだけど、あれ何のネタなんだろう。
大人でも楽しめる子供向け映画。子供騙しじゃないって素晴らしい。
もう今、世界が、人間同士があまりにぎすぎすしているけど、この映画が訴えかけるような気持ちをみんなが少しずつでも持てば、良くなっていくんじゃないかななんて思います。少しくらい不便になったっていいじゃない。みんなが幸せに生きていく方が大事じゃないかな。
予告によると、来年は宇宙ものみたいです。新・宇宙開拓史かな。楽しみですね。