親の死に目に会えると思うなよという同調圧力について


 親の死に目に会えると思うな。

 音楽の世界で、いや音楽に限らず芸事の世界でやっていこうとした人なら、一度は言われた事があるのではないかと思われます。

 ひとたび公演なりが決まったら、何よりもそれを優先するのが当然の事であり、例えその最中に親が死んでも降板などもってのほかだと。

 芸事の世界は通常の会社組織とは違って、そう簡単に他者と仕事や責任を分担できるものではありませんので、それくらいの覚悟と責任感を持たねばなりません。まぁ分かります。私もそのつもりでやっております。

 しかしながら、本当に自分の代わりがいない事など、まずあり得ないのもまた事実でありまして、万が一、不慮の事態が発生したところで、それはそれでどうにかなるものです。自分以外に代わりがいないなど、思い上がりも甚だしい話であります。そこまで偉大な人間など世界でどれくらいいるのでしょう。総理大臣も、大統領も、いなくなったところで世界は回っていくのです。どんな要人であっても、替えが効かない人物なんてちょっと思い当たりません。

 最初に書いた言葉は、仕事をしていくうえでは大切な考え方ですし、それくらいの覚悟で臨むべきであるとは思います。その反面、なんて押し付けがましい、また自分中心で傲慢なものの考え方なんだろうとも思うのですね。

 自分への戒めや心構えとしている分には良い言葉だと思うのですが、稀に、他人を縛る言葉として、ドヤ顔で使ってくるバカがいるものですから救いようがありません。

 やらかして師匠に説教されるなら甘んじて受けますが、赤の他人をそういう言葉で縛ろうとする人間など信用できるはずもありませんね。自分の言葉に酔っているだけの阿呆なんだなと思う次第です。

 今年の3月に、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーが、恋人が自殺したことを受け、6公演を中止にしましたが、恋人の自殺程度で公演を中止にするなどミュージシャンの風上にも置けない人間だ、お前は音楽家失格だなどと、ミック・ジャガーを前にして言えるのかと問い詰めたいです。絶対に言えないと確信しております。その時点でそういう人物は偽者でしかないわけです。いくら金を生み出せようとも、私はそんな人間とは仕事はちょっと出来ないですねえと。

 名言や格言なんて、人によって正反対の事を言い、それぞれが後世に残っていたりしますから、結局は自分の頭で考え、判断するしかないのですよ。誰々に言われたから、誰々が言っていたから正しいなどと言い、それに沿って生きるのは、単なる思考停止の愚か者としか思えないですね。プログラミングされたロボットじゃないのですから。

 他人からインプットされたノウハウに沿って動くロボットというのは言い得て妙だなと自画自賛であります。私は泥臭くて血の通った人間が好きなのです。

 バイキングは成功のノウハウさえ放棄しているわけですけどね。

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