別のエントリーで雑多な話題として触れようと思ったのですが、調べてみたらムカついたのでエントリーを独立させてみました。騙されかけました。
複数のニュースサイトが記事にしているのを確認しましたが、どこも書き方が微妙に違うのですね。
大元となったニュースソースはこれ。
2014年 赤ちゃん名づけ男女年間トレンドはこちら – 名前由来net
http://namae-yurai.net/oneYearNamaeTrendBoysGirls.htm
よろしいでしょうか。
2014年、アクセス数の多かった名前をランキング!!
ここがミソです。別に法務省に届け出があった名前の人気ランキングでもなんでもなく、単にこのサイトのアクセス数のランキングでしかないわけですね。
でまぁ、ちょっと探しただけでも3つのサイトでニュースになっているのを見つけました。それぞれ見てみましょう。
陽翔・琉生・椛・惺梛…いくつ読める?2014年赤ちゃん名づけランキング
http://news.ameba.jp/20141121-20/
タイトルが嘘ですね。名づけランキングではないのですから。ただし、アメーバニュースでは
男女ともに30位まで発表されている名づけランキングは、2014年にアクセス数の多かった名前を順位化したもの。
ときちんと文中に書いていますので、事実誤認には当たらないと思われます。大半の人はタイトルとランキングしか読まないのではないかなと思いますので、いかがなものかとは思います。というかタイトルは「アクセス数ランキング」にしろ。
次にITmediaです。なんでITmediaがこんなニュースを取り上げてるのか不思議ではありますが。
「陽翔」「莉琉」「惺梛」「心愛凜」 「赤ちゃん名づけ」年間ランキング
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1411/20/news125.html
ここもタイトルが嘘です。名づけランキングではないので。「赤ちゃんの名前アクセス数ランキング」が正解でしょう。
そもそもの話なのですが、アクセス数が多い=トレンドという公式は成り立つんですかね。えっ、こんなクソな名前を付けるバカ親がいるの!? という興味本位でのアクセスが多いのではと勘ぐってしまうのですが。
一応、ITmediaでは
ランキングは、月間200万アクセスという「赤ちゃん名付け」アプリとWebサイトでアクセス数の多かった名前から、同社の審査を経て集計した。
という文章を最後に書いています。同社の審査を経てというのはソースには無いので、直接問い合わせるなり取材をしたのでしょうか。ここまで分かっていて上記タイトルをつけてしまうのは、良い事とは言えないように思います。
3つ目はマイナビニュースですが、これは最悪です。
2014年赤ちゃん名ランキングが発表される!「はると」「もみじ」「ま…
http://news.mynavi.jp/news/2014/11/20/536/
まず、他の2つのサイトと同じくタイトルが嘘ですね。さらに文中にも、あくまでアクセス数であるという表記が見当たりません。それどころか、
そんな中、あかちゃんの名前ランキングが名前由来.net(リクルーティング スタジオ株式会社)より発表されました。その中で最も多いのは男の子で「はると君」女の子は「もみじちゃん」という結果となりました。
と書いてしまっている始末。サッと目を通すとなんとなく意味が伝わるようでいて、よく読むと「何のランキングなのか」、「何が最も多いのか」が一切分からない、ドブ川に投棄する事を検討した方がよい名文であると言えるでしょう。何考えて書いたんでしょうか。なんでこれでOKが出たんでしょうか。
そのうえ、ですます調であった記事が突然
しかしそうは言っていられない。なぜなら10年後20年後今は珍しいこのような名前がいつかそれがトレンドになっていき、当たり前になる。
そうすると我々の「大人」がおなじみの名前はいつか逆に珍しいものになっていくからだ。
残念ではあるがそれが時代・歴史の定めだ。
などとポエム調に変貌しております。あまりに唐突な社会派宣言に市原指揮者困惑。世を憂いている社会派ライターなのでしょうか。いやいや、機械翻訳か何かを通したのか、はたまた母語が日本語ではないライターがお書きになっているのか、それとも授業中の暇つぶしに高校生や大学生のアルバイトが悪ふざけで書いているのか、綾辻行人もビックリというどんでん返しの文章になっております。なにいってだこいつ。
さらにその下の謎の一文も全くもって理解に苦しむ難文であり、古文を読むより難解なのではないかと私などは思う次第です。
―全国で最も多い苗字は「佐藤」
ちなみに以前紹介しました全国で最も多い苗字は「佐藤」ということで、その佐藤さんが住む地域は「北海道」でした。最も珍しい苗字でめずらしい子供の名前のコラボレーションを見てみたいものだ。
……??? ですます調とである調が混ざっているのはもういいのでスルーしますけども、全国で最も多い苗字が佐藤なのは分かった。それは分かったんだが、その佐藤さんが住む地域は北海道ってなんだよ。小生の知り合いの佐藤さんは神奈川にも東京にも住んでいるのだが。それとも、一般的な佐藤さんではなくて、「全国で最も多い苗字であるところの佐藤さん」が住んでいるのが北海道なのですかね。いや、ちょっと意味分からないです。
さらに、そこから最も珍しい苗字の話にシフトしており、もはや次元を飛び越え現世と来世を自由に行き来するかの如く無軌道な、たまちゃんワールドが展開されておるわけで、無学な私には到底ついていけないと思った次第です。未来人の文章なのでしょうか。それとも、たまちゃんファンクラブの会員なら読めるのでしょうか。せめて最後までですます調じゃダメだったんですか?
たまちゃんって有名なライターさんなんですか? ちびまる子ちゃんのお友達ですか? もしかして玉袋筋太郎さんですか? 最近のニュースサイトはハンドルネームを書いて文責表記を果たした事になるんですなぁ。架空の人物でも分からないですね。
と最後まで来たところで驚愕のラストが用意されておりました。
本記事は「秒刊SUNDAY」から提供を受けております。
マイナビニュース悪くなかった! マイナビニュースはマジクソだなとか思って正直すまんかった。マイナビウーマンは相当アレなサイトで、見ているだけで脳が沸騰しそうになるのだよなぁと思っておりますが、この件については謝りたいと思います。もう一度言います、マイナビニュースは悪くありませんでした!
つまり秒刊SUNDAYのライティングの質が問われますよねという話なわけですね。久しぶりに名前を聞いたなぁ、秒刊SUNDAY。恐らくたまちゃんよりはまともな日本語書きますので仕事の依頼、お待ちしております。秒刊SUNDAYの担当者さん見てるー? いえーい。
まぁ秒刊SUNDAYが一番アレだったという結論になるのですが、それ以外のサイトについても、話題自体にニュースバリューがあるとは到底思えないわけで、煽りタイトルで釣ってどうするのという気がしてなりません。
おかげで「赤ちゃん 名前 ランキング」あたりのワードで検索をかけると
「今年の赤ちゃん名前ランキングwwwwwwww」
「赤ちゃん『名づけ』年間ランキングwwwww」
「2014年赤ちゃんの名付けランキングwwwwwww」
「これが2014年のDQNネームのトレンドらしいwwwww」
「2014年に生まれた赤ちゃんの名前トップ10が発表→ほとんどキラキラネームじゃねえかwwwwww」
といったタイトルのアフィブログが大漁であります。タイトルに脊髄反射したインターネッターが釣られ、さらに歪んだ二次情報が伝播されるという、悪い爆釣スパイラルが発生している模様です。
ニュースサイトって、こういうところまできちんと責任を負うべきじゃないのかなぁなどと思うんですが、PV稼げればなんでもいいんですかね。大手マスコミを批判しておきながら、ネットのニュースは無責任でいいなんて道理はないと思うのですが。