佐野さんは佐野ラーメン屋に転職するというオチでいかがでしょうか

 今話題沸騰中のファイヤーエンブレム(ファイアーエムブレムではないのでセーフ)の件なんですけど、アウトだろうこれはという感じで見ておりまして、取り下げもやむなしかなという感じですが、それはそれとしてネット世論的なものが非常に気になります。

 本ブログでも何度か似たような話を取り上げているような気がするのですが、悪を見つけて、絶対に負けない戦いだと思うや否や、匿名かつ集団で徹底的に叩き潰すというのは、どうも見ていて気分の良いものではありません。

 佐野氏が批判される、非難されるのは仕方がないとして、色々なサイトなどにメールアドレスを勝手に登録するですとか、家族にまで被害が及ぶですとか、そういった陰湿な嫌がらせが発生していたというのは正直驚きでした。そこまでの発想は私には無く、せいぜいトゥイッターあたりで匿名で佐野がどうのこうのとか書くのが関の山だろうとか思いましたが、甘かったです。いやはやすごいですね。集団の悪意が暴走していたのだろうなと思います。

 ネットの集合知が勝ったという論調も見かけますが、その言い方には私には違和感しかなくて、ある一線を超えたら単なる集団ヒステリーじゃないんですかといつも思ってしまうクチです。

 ロゴの撤回自体は私も賛成なのですが、撤回に至った理由がネット発であったとしても、そういった異常な行動が多数発生していたのであれば、それを素直に正義だとは思えないんですね。

 少なくとも、氏の社会的地位の剥奪、社会からの転落を嬉々として見守っている方はいるでしょう。もっと言ってしまうと、一家離散や自殺という結末まで望んでる人たち、いますよね。絶対に。そりゃおかしいですよ。

 義憤に駆られた抗議や署名活動と、誹謗中傷や反社会的行為は違うのだという認識を持った方がいいのではないかと思います。誹謗中傷や反社会的行為で起こった結果というものは、暴力が勝ったということです。どうも、悪い奴には集団で暴力を振るってもいいという空気がネットには強く根付いている気がしてなりません。

 例えば社会的な巨悪があったとして、それに力の弱い庶民が団結して対抗しようとするのはよいと思うのですが、言論や理論、時には奇策を用いたりして、正々堂々と戦いを挑んでいただきたいと心より思います。

 今回の件を通じまして、一歩間違えば音楽の世界も数百年前からパロディや本歌取りの宝庫なわけでして、やろうと思えば、あれが似ているこれが似ていると槍玉に挙げることがいくらでもできてしまう構造があるわけです。今回の件は論外として、その辺りで色々と思うところがあったのですが、もう少し時間が経って、まだ気になっていたら書こうかなと思います。とりあえず、悪質なパクりとパロディや本歌取りは全くの別物だと私は思いますので、そこは気をつけていきたいところです。

 というわけで、氏は「佐野ラーメン屋に転職しましたー」とか言って黒いTシャツ着てタオルを頭に巻いて腕組みした写真でもアップすればジョークの好きなインターネッターの皆さんは赦してくれるのではないでしょうか。あの人見た目がラーメン屋っぽいし。ダメですか。そうですか。