私がマック(マクドではない)で食べるのは、そう、グラコロ(グラタンコロッケバーガー)とベーコンポテトパイ、そして稀にポテトであることは世間的に有名なので皆さんご存知かと思われる。ほぼこの3種類に限られると言って差し支えない。
毎年グラコロを食べたことをSNSにアップすると、決まって「小麦粉の塊を食べて何が美味しいものか」などと言ってくる無粋な輩が出現するものだが、そういうのは言わせておけばよい。グラコロは良いものだ。それは今回は関係ないので置いておくとして、本題に入りたい。
今回のテーマはベーコンポテトパイである。こんなに美味しいものが何故レギュラーメニューではないのかと何年も問いただし続けているのだが、一向にレギュラーメニュー化する気配のないベーコンポテトパイの季節がやってきた。
毎年地味に出現し、地味なまま終わるベーコンポテトパイであるが、今年は一味違う。なんと「ヘーホンホヘホハイ」なる名前でのデビューを果たしたのである。店員に向かって「ヘーホンホヘホハイ」と注文しろというのだ。これは私が常々言っているあの問題が発生する恐れがある。あの問題とは、他ならぬ「カリー問題」である。
メニューに「チキンカリー」と書いてあるカレー屋があって、なるほど本格派を気取っているのだな。それであればカレーと言いたい気持ちは山々だが、郷に入れば郷に従えだ、こちらも店の作法に則って差し上げようと考えるのが人情というもの。
市「チキンカリーください」
店「チキンカレーですね」
これは絶対に許してはならないと、かれこれ10年以上言い続けているのだが、今だに是正されないどころか、「インスタ大好きオシャレ店長の気まぐれハッピーオススメ映えパスタ映え」などというふざけた名前の飲食物がメニュー表には跋扈しており、いざ勇気を出してそれを口に出そうものなら「はい、気まぐれパスタですね」とふざけた返答をしてくるのだ。あまり大人をなめるな。はいじゃない。手を抜くな。全部復唱しろ。全部だ。出来ないならその名前をやめろ。
そうした風潮をよろしくないものと考える「ためしてガッデム」制作部は、今回ヘーホンホヘホハイについて徹底検証を行った。ヘーホンホヘホハイはどこまでベーコンポテトパイなのか。それを調べるのだ。チラベルトだ。
★ベーコンポテトパイ
これが通らないことはないだろう。「ベーコンポテトパイでも注文出来ます」と書いてあるのだから。
ガッデム(ガ)「ベーコンポテトパイください」
マック*(マ)「ベーコンポテトパイですね」
*マクドではない
結果:通った。
★ヘーホンホヘホハイ
これが通らないければ大問題であり。詐欺でありインチョキ。司法の裁きを臨むものである。
ガ「ヘーホンホヘホハイください」
マ「ベーコンポテトパイですね」
!!!?? なんとしたこと。店員の復唱はベーコンポテトパイであった。この時点でかなりマック(マクドではない)許すまじという気が高まってきたが、検証を続けることにした。
結果:通った。
★ベーコンホヘホハイ
合わせ技である。ベーコンポテトパイとヘーホンホヘホハイからベーコン成分とホヘホハイ成分を抽出した。通るはずだ。
ガ「ベーコンホヘホハイください」
マ「ベーコンポテトパイですね」
結果:通った。
★ヘーホンポテトパイ
3の逆転技である。これも通るはず。
ガ「ヘーホンポテトパイください」
マ「ベーコンポテトパイですね」
結果:通った。
★ベーホンポヘトハイ
音節毎にランダムに抜き出し、更に高度な言葉遊びにチャレンジする。
ガ「ベーホンポヘトハイください」
マ「ベーコンポテトパイですね」
結果:通った。
★ビーコンホヘホハイ
店員さんにビーコンで伝達だ。
ガ「ビーコンホヘホハイください」
マ「ベーコンポテトパイですね」
結果:通った。
★ベーコンレモンパイ
ピッチャー、ベーコンに変わりまして、代打レモン。代打レモン。
ガ「ベーコンレモンパイください」
マ「……ベーコンポテトパイならございますが」
ガ「……それで」
結果:一応通った。
★エーオンオエオアイ
母音のみでチャレンジだ。
ガ「エーオンオエオアイうああい」
マ「!!?」
ガ「エー! オン! オエオ! アイ! うああい!」
マ「ベーコンポテトパイです……ね?」
結果:セーフティー!
★ホーコンベテパホイ
アナグラムに挑戦する。
ガ「ホーコンベテパホイください!」
マ「えっ」
ガ「ホーコンベテパホイ!」
マ「……!?」
目で訴える。
マ「ベーコンポテトパイですね!」
結果:セーフティー!
★ウォーコンラスベガス
それっぽい発音をすれば通るに違いない。
ガ「ウォーコンラスベガスください」
マ「……!??」
ガ「ウォーコンラスベガスください!」
マ「ウォーなんでしょう……」
ガ「ウェーオンオエエアイ」
マ「ベ、ベーコンポテトパイですか……?」
ガ「アイ……」
結果:セーフティー!
★ベーコンとポテト
朝に食べたい組み合わせでチャレンジ。
ガ「ベーコンとポテトくだパイ」
マ「申し訳ありません。ベーコンエッグとハッシュポテトは朝マックになります」
ガ「午前中に来ます」
結果:アウティー!
★ケヴィン・ベーコン
名優である。
ガ「ケヴィン・ベーコンください」
マ「???」
ガ「ケヴィン・ベーコン知ってます?」
マ「いえ、ちょっと存じ上げません」
ガ「分かりました。ケヴィン・ベーコンください」
マ「???(ニッコリ)」
結果:ケヴィン・ベーコンを注文するとスマイルが出てくる。
★ホットコーヒー
ぎりぎりベーコンポテトパイっぽさはあるので通るだろう。
ガ「ホットコーヒーください」
マ「サイズはどれになさいますか?」
ガ「Sで。あとベーコンポテトパイください」
マ「ありがとうございます」
結果:通った。
★冷やし中華
ベーコンポテトパイとは対極のシーズン、そして季節によって始まったり終わったりするという共通点が見られるので、かなり高い確率で通るものと思われる。
ガ「冷やし中華ください」
マ「申し訳ありません。当店では冷やし中華は取り扱っておりません」
ガ「冷やし中華じゃないです。冷やし中華ください」
マ「は……?」
ガ「いあいうぅあ」
マ「はぁ……???」
ガ「いあいうぅあ、うあぁい(冷やし中華、ください)」
マ「上の者を呼んでまいりますのでお待ちいただけますか……」
結果:通報され逃走。
というわけで、14戦して11勝3敗、勝率79%とかなり高い確率でベーコンポテトパイが注文出来ることが分かった。もはや何を言ってもベーコンポテトパイが出てくると言っても過言ではないだろう。皆さんもベーコンポテトパイが食べたい時はオリジナリティの高い注文方法を考え、是非試していただきたい。
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