へぇーすぶっくを見ていたら、どこぞのあからさまなステマサイトの「絶対に押さえておきたい横浜駅周辺のラーメン10選!」だかなんだかというタイトルの記事が流れてきた。
横浜に住むものとしては気になるわけで、ステマと知りながらどれどれと見れば、全く押さえておきたくない「市原さん、横浜駅で美味しいラーメン屋教えてくださいよ」と言われても絶対に勧められないラーメン屋ばかりが羅列してあって、あまりの酷さに「ステマじゃねぇか」とコメントをつけてしまったくらい酷かった。こんなクソみたいな記事に何千もいいね!がついているのだから、ステマは本当に度し難い。ステマに加担しているのは個人法人問わず心から嫌いだ。
ただ、その中にあった「壱八家」だけは行ったことがなかった。行ったこともないのにクソ扱いするのは許されることではない。この店だけは当たりかもしれない。店が横浜にあること自体知らなかったのだが、聞けばスカイビルの中にあるというではないか。では早速行ってみようということで行ってみたのが予想を上回る出来事の始まりだったのである。
◆店構え
ビルの中なので無難というか、なんとも。
◆値段
ラーメン650円、半ライス100円の合計750円。家系のスタンダード。
◆卓上調味料
ニンニクと豆板醤と胡椒、すりゴマ。ゴマはすっていない方が好き。
◆ライス
至って平常。
◆チャーシュー
スタンダードな丸型。薄い。ペラペラ。
で、スープと麺について書く前に、店で起こった出来事を記載したいと思うんです。
私は家系は必ず「固め」で注文している。ここでも当然の如く固めをオーダー。しばらく待つとカウンター越しにラーメンを渡された。スープを一口飲んで、うん、この偽家系と確信したのだが、問題はここからだった。
スープに続いて麺を食べると、異常に柔らかい。すぐ崩れるようなドゥルドゥルの麺だ。麺がスープに溶け出している。どう考えても「柔らかめ」としか思えず、百歩譲ったとしても「普通」が関の山だろう。
古今東西、こんな固めは食べたことがない。いくらなんでもこれで「固め」はあり得ないという確信があったので、客席側にいる店員を呼び「ごめんなさい。これ、固めで間違いないですか?」と聞いてみる。間違えて違う人のラーメンが来ている可能性もある。すると店員は「はい、これは固めです。柔らかかったですか。じゃあすぐ作り直します」と言い、カウンターの向こうにいる店員に「これ柔らかいって。作り直して」と指示を出す。
この時点で、柔らかいというのが疑われている風だったのが既に気に食わなかったのだが、まぁ変えてくれるならいいかと新しいラーメンが出てくるのを待った。
お待たせしましたと出てきた作り直しのラーメン。これがさらに問題だった。親の敵のように固い麺だったのである。博多ラーメンでいえばハリガネレベルといって間違いない。あれは博多ラーメンの超細麺だから許されることであって、家系の中太麺でこの固さは、いいからお前は腹を壊せと宣告しているレヴェルだ。要するにあの太い麺の半分くらいが生の状態なんだ。スパゲッティで言えばアルデンテの出来損ないだ。そんなもんイタリアの傾奇者でも食べないだろ。麺の芯まで火が通っておらずボソボソする食感が口内を楽しませてくれる。戦時中ですか? こんなもんラーメンじゃねぇ。小麦粉を紐みたいにしたのを食ってるんだ。俺は小麦粉生で食べ食べマシーンか? 新入りに任せたら失敗したと言ってもこうはならない。甘栗むいちゃいましたは許されるが、家系ラーメンの麺、生で出しちゃいましたは絶対に許されない。おいそれと生で出してはいけない。読者諸氏も気をつけよう。去年の11月の話なのだが、書いていたら思い出してイライラしてきた。
ふざけるなよ、もう一回作り直しだ、と言えばよかったのかもしれないが、私は海原雄山ではないし、「この家系ラーメンは出来損ないだ。食べられないよ」と言えるほど幼少の頃から家系の修行をしていたわけでもない。それに、先ほどの「これは確かに固めなんですが、作り直します」という言葉に引っかかっていたので、もう何も言わず食べることにした。この時点でこんな店は二度と来るものかと決意。全部残して「釣りはいらねぇ!」と100円玉をカウンターに置いて帰ろうかとも思ったのだが、さすがにそれは気が引ける。お腹減ってたし。
さあ、ここまでの問題点を洗い出そうではないですか。
1.出てきた麺が柔らかめだった
→ これはいい。何事も失敗はある。仕方がない。そんなことで怒るはずもなし。
2.「これは固めですが、作り直します」という発言
→ なんで客席側にいるお前が断言できるんだ。自分たちの提供しているものに自信があるなら一口食べて確かめるくらいしろ。客が口つけたからダメというなら、指で麺を潰してみるとか色々あるだろ。プロなら分かるよな!
3.黙って作りなおす店員
→ 確かめろ。自分が茹でた麺を食べてみろ。もしくは前述の通りの対応はできるはず。事実かどうか確かめず、なぜ黙って作りなおす。お前のラーメン道にプライドはないのか。佐野さんなら激怒してホースで水ぶっかけられてるだろう。面倒なクレーマーだから作りなおしましたと客をバカにしているのと同じだ。
4.出てきた超固い麺
→ ここでクソ対応が確定する。これには以下二つの可能性がある。
4-a.固めで茹でても柔らかいと言うクレーマーだから、固めよりもさらに固く茹でてやった
→ 人を嘘つき扱いしたことが確定。よってクソ。
4-b.マニュアル通りに茹でた
→ とても食べられない不味い麺を普段から出していることが確定。よってクソ。
いずれにしてもクソだということです。
ではどうすればよかったのか。
・麺が柔らかいと言われたら自分で食べてみるなりして確かめる。(言いがかりなのか真実なのか確かめる)
・本当に柔らかければ認めて作り直す。(これにて解決)
・普段から出している固めであれば「お客さん、これは当店の固めです」ときちんと告げたうえで、「これは間違いなく固めなので改善のしようがありません」と告げるか、「さらに固めがお好みなら対応します」と選択肢を与える。(要求への対応)
・真偽を確かめないならお客の言うことをどこまでも信用して、もう一度きちんと作り直す。(面倒だから超固めにしてやるなどというのは論外で最低の対処法)
これって難しいことですかね? お客様対応って、言いなりになればいいってもんでもないと思うんですよね。お金を払う側と商品を提供する側って対等だと思ってるので。言いなりにしたって、ハイハイしょうがねぇなという態度が見えれば腹が立つわけですよ。柔らかいから柔らかいと言っているんであって、理不尽なクレームつけたいわけじゃないんですよ。美味しいラーメンが食べたいだけなんですよ。とにかくお客様の言うことに反論はしないみたいな決まりなら、言い方とかやり方があるだろう。どう考えてもクソという結論にしか行き着かない方法をどうして採用しようと思うのか。
などと色々考えさせられるいいきっかけにな……るはずあるかい!
◆スープ
ギトギト白濁の偽家系。気分が悪かったこともプラスして評価に値しない。
◆麺
自分の店の麺の固さを信じられないクソ。
◆その他
立地以外全てがクソ。
客観的オススメ度 ★★☆☆☆
個人的オススメ度 ☆☆☆☆☆(クソ)
★……………最低。家系の面汚し。すぐ潰れた方がいい。
★★…………悪い。わざわざ食べに行く必要があるか疑問。
★★★………基準。家系らしい家系。
★★★★……良い。近所にあれば贔屓にしたい。
★★★★★…最高。これを食べずして何を食べるのか。