20章は相当苛々する最悪なマップ(クリアするのに4時間もかかった!)だったが、ここはもう無理だと諦めかけたくらい極悪。
ここまで、難しいながら、どのステージも正攻法でクリアできたのに、ここは奇策に頼るしかなかった。
「15人出撃、ノスフェラトゥとゴーレムを釣りつつ戦線を押し上げ、上部へ進撃し脱出」
が所謂一つの正攻法だと思うのだが、全く通用しなかった。やはり初プレイで勝手が分からず、ここまでの育成に失敗しているのかもしれない。
アクア、エリーゼは一撃耐えられないのに、敵に遭遇せずに進むことは防陣で後衛につく以外は実質不可能。
主力ユニットで前線を構築しても、ノスフェラトゥのスキルでどんどん削られ、そのまま押し切られるか、ゴーレムの遠距離(命中率がそれほど悪くないのも非道い)であえなく撃沈。
竜脈も9マス以上離れて設置されているので、飛行ユニットであっても、アクアがいない限り毎ターン巡ることはできない。そのアクアは前述の理由で使えないし、どのみち上部へ進んでいくにつれ置いていかれる。仮に毎ターン巡ったとしても、他のユニットが間に合わない。
敵ユニットの攻撃範囲が隙間なく配置されているため、竜脈にたどり着くには複数回の戦闘は避けられない。
ゼロに聖なる弓を持たせてシャーロットを後衛につけると、ノスフェラトゥを1ターンで倒せることが分かった。だが、次ターンの反撃を凌ぎきれない。フェリシアの爆炎手裏剣も有効だったものの、ノスフェラトゥの体力を8割程度削るのが限界で、やはり倒しきれなかった敵に狙われてしまう。
つまり、危険範囲にいる敵を自ターンで倒しきれないと、ほぼ次ターンで犠牲が出てしまうということになる。打たれ弱いユニットを囲みきれるほど、猛攻に耐えられるユニットはいない。ゴーレムが動かなければもう少しなんとかなりそうだったものの、5歩移動、5マス遠距離攻撃は非道い。最大移動力8では奇襲をかけて1ターンで撃破は不可能。再移動を用いて1ターンで詰めたとしても、敵スキルの影響で、必殺が出ない限り1ターン撃破は無理。
これだけ悪条件が重なって、一体どうしろというのか。
思いつく限りの組み合わせと戦略を試した結果、どうにもならず絶望しかけ、このゲームはもうやめるか、最初からやり直そうとまで思い詰めたのだが、そもそもダメージを喰らわければいいのではという思いつきに至った。
初めはエルフィとブノワで前線を張り、進撃していく作戦を取った。この時点でエルフィの守備は30(スキル「守備+2」で32)、ブノワは31(同様に33)。大半のノスフェラトゥの攻撃力は37~38。スキルダメージ7~8を加えると、一回の戦闘で12~13くらいは持っていかれる計算だ。いくら体力が高いとはいえ、4~5回殴られるとお陀仏である。聖なる槍を持たせれば、魔物特攻のうえ毎ターン10ほど回復するが、追撃が出来ず、敵を一撃で葬ることができないため、回復もジリ貧になり間に合わない。ノスフェラトゥの速さは20なので、追撃するには25必要だが、ジェネラルに25も求めるのは酷である。また、聖なる槍は守備が-3されることと、第2波で激突するノスフェラトゥが「槍殺し」を持っているので、命中率が30%台に落ち込んでしまう。
よってこの作戦は失敗。
次に、エルフィとブノワで防陣を組んで守備を高めて挑んだ。エルフィ32でブノワとの防陣で+6、さらにこのマップには計算したかのように階段地形が存在するので、スキル「閉所防御」で+3すると、41にまで上昇。
これでノスフェラトゥ、ゴーレムからダメージを受けなくなった。単騎で敵を撃破していく瀕死のエルフィ最高だぜと機嫌を良くして進めていくと、ゴーレムの攻撃で1ダメージを受けて撃沈。何事かと思ったら、上部にいるゴーレム3体だけ攻撃が42であった。どこまで計算づくなゲームなのだろう。
敵の情報の見落としというエムブレマーとしてあるまじき結果になったわけだが、改めて調査した結果、本マップの敵が持つ最大攻撃力は、上部にいるゴーレム3体の42であった。
なので守備42が必要となる。前述したように、エルフィの守備は最大41。どうしても1足りない。そこで、ついに禁断のドーピングをすることにした。私はドーピングは嫌いだ。ステータスアップの道具もまず使わない。今回ばかりは仕方ないので、道具屋に売っている「守備の薬(1マップのみ有効)」を購入し、守備+2。これで43まで上昇した。無敵だ。ただし、聖なる槍を装備すると40に下がるので負けてしまう。ついでに「速さの薬」を4つドーピングして速さ25にすれば楽勝なのではと試してみたところ、薬毎に1マップあたり1回しか使えなかった。当たり前か。
これで完璧と意気揚々と出陣したものの、今度は他ユニットの扱いに困ることになる。いくらエルフィが単騎で活躍しても、他ユニットが倒れてしまっては意味がない。そこで、試行錯誤の陶、出撃ユニットを主人公と機動力、守備力に優れるマークス(といっても実はほとんど育てていなかった)、そしてエルフィとブノワの4人という極限まで絞ることにした。主人公とマークスの防陣で突破する算段だ。が、やはり守備力不足で耐えきれず、どうしてもやられてしまう。
次に、主人公と、育成しているベルカの組み合わせにするが、ベルカの速さが15しかないので、ノスフェラトゥに追撃を受けてしまい全くダメ。1度も攻撃を受けずに逃げ切るのはまず不可能。
今思えば、速さの薬でドーピングすればよかったような気もするのだが、代わりにカミラ(全く育ててない)にしてみたところ、ぴたりとはまった。カミラなら1回は耐えられたのだ。
ここで戦略が完成。
主人公を抱えたカミラがマップ右下の瓦礫で分断された箇所を使って、敵増援を挑発しながら安全地帯を往復している間に、エルフィ、ブノワ隊が敵陣に単騎で突撃し、次々に蹴散らしていく。撃破の最優先はゴーレム。
階段の上では聖なる槍で、平地では鋼の槍で千切っては投げ千切っては投げしていく。まるで相撲のぶつかり稽古のようだ。エルフィは最強横綱だなと思った。
何があっても絶対に負けないことが分かっているので、敵ターンはスタートボタンで完全カット。実に快適だ。
ただし、エルフィの装備と、カミラの動かし方を間違えると詰むので、そこだけは細心の注意を払って操作していく。
一度カミラがかなり不味い状況に陥ったものの、竜脈にギリギリ届いて起死回生。そのまま主人公とカミラが一気に駆け抜け、突破。エルフィとブノワは最大10体くらいの敵に囲まれたものの、絶対に負けない盤石の相撲でノスフェラトゥの大群を寄り切り、21章をようやくクリア。ボスは面倒なので無視。秘伝書入手は諦めた。悔しい。
ブノワでもよかったのではと思えるが、ブノワはエルフィほど力が無いので、ゴーレムのスキルの自然回復量に対して与えるダメージが足りず、撃破に費やすターン数がエルフィの倍くらいになってしまうと予想される。ちなみに、エルフィでも4ターン必要だった。カミラが敵を引きつけておけるターン数にも限界があるので、エルフィで正解だった。恐らく、上部右のゴーレムを倒すのが、あと1ターン遅かったら作戦は失敗していたと思われる。
もしこの章に至って、守備が条件を満たすユニットがいなかったらと、クリアした今思い、ぞっとしている。
初代FC版から(ジェイガンのせいで)上級クラスで加入するユニットは使いたくないという偏見が未だにあるので、マークスもカミラも、レオンも育てていない。王族で使っているのはアクアとエリーゼだけ。なので、本当に詰んでいた可能性がある。
3章から既に感じていたのだが、今作は難易度がかなり高いのではないか。というか、間違いなく高い。FEでこんな苦労をした記憶は無い。これまで遊んだシリーズでは「トラキア776」だけクリア出来ていないのだが、それは疲労システムによるところが大きく、マップ単位の難しさは「暗夜王国」の方が上なのではと感じている。
いいじゃないか。これこれ、こういうのでいいんだよ。こういうのがやりたかったんだよ。だが20章は許さん。21章もちょっと許されない。
しかし、この章は本当に大変だった。あまりに大変だったので、記録を残した次第である。