シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

 最期を見届けに行ってきました。25年の歳月をかけて、ついに本当に終わったのだなぁと。
 アクションシーンなんて、息をするのを忘れるくらいの格好良さ。全てが天才的です。
 映画単体としての出来ももちろんのこと、作品全体を振り返って、これ以上の邦画が果たして今後生まれるのでしょうか。多分無理なんじゃないかなと思うほどの完成度でした。邦画としてではなく、コンテンツという面でも。

 本当に色々な思いがありますが、胸にしまっておくとして、若干ネタバレ風味の感想を記しておこうと思います。作品そのもののネタバレはありませんが、神経質な方はご注意ください。

 結局終わらないのではという不安要素もなんのその。見事に決着をつけました。

 全部虚構だ。エヴァなんて無いんだ。おしまいだ。全て忘れて現実に戻れ。いつまでもアニメの世界にいるな。

 という庵野監督のメッセージとしか受け取れませんでした。喝采です。(監督自身もこれでエヴァから解放されるのだという意味もあるのかもしれませんが)
「エヴァの呪縛に囚われた者は大人になれない」
 なんて、まんまド直球じゃないですか。

 私はテレ東の再放送の時からずっと追ってきたのですが、考察やらグッズがどうのこうのというのは、最初の劇場版の初回上映を徹夜で見に行ったあたりで早々に切り上げ(以後、本編以外、スピンオフなんかも一切手を付けませんでした。その時点で呪縛から解放されていたのです)て、その後はただ公開される映画を見るだけという風に距離を取っていたので、そういう方針で万々歳です。だから、待たされたという感覚も無いのです。

 それよりも、あの頃からもう25年経っているという事実が恐ろしいばかりです。庵野監督は25年でここまで到達した。では私も表現者の端くれとして、この25年間で一体何が出来たのだろうと思うと、自らの非力さ、無力さを恥じ入りたい気持ちになりました(16歳だけど)。
 再放送を見ていたあの頃が、ついこないだのように感じ、昨日の事のように思い出せるのです。だから25年なんてあっという間に過ぎ去っていくのだと改めて気づかされ、残りの人生の時間を考えると胸が締め付けられるような気持ちになります(16歳だけど)。逆に言うと、負けてなるものかと明日への原動力を貰えました。ものすごく、創造という行為に対する刺激を受けたというか、とにかく最高でしたよ。

 でも、本当に本当に終わってしまったんだという、得も言われぬ空虚感のようなものを同時に感じているのもまた事実です。終わらせてほしいけど、ずっと終わらないままでも良かったんじゃないかなという無い物ねだりのような、そんな感情。

 序盤に庵野監督の奥さんの名前が、絵本の作者として出てきてたり、一瞬で出終わってしまう文字とか、細かいネタを見逃していると思うので、少なくとももう一回は劇場で見ると思います。

 庵野監督、お疲れ様でした。ありがとうございました。そして、さようならエヴァンゲリオン。

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