緊急事態宣言延長の影響

 緊急事態宣言が延長となった結果、ホールや練習場の20時閉館が継続となり、今月の指揮の予定も全てなくなりました。
 あるオーケストラは、昨年の第1波の際に真っ先に活動休止を決め、この1月から10ヶ月振りにようやく活動を再開する予定だったのですが、緊急事態宣言によって全てキャンセルとなりました。いよいよ3月からという機運も虚しく、緊急事態宣言の延長によってまたしてもキャンセル。これで1年以上、間が空くことになりました。団員の皆さんの無念さを思うとやりきれません。

 今週末、3月14日の日曜日、神奈川区民音楽祭というイヴェントに、神奈川区民オーケストラのアンサンブルグループが3組出演し、私はそのうちの弦楽合奏で4曲を指揮する予定でした。
 このイヴェントはもう3~4ヶ月前から開催が予定されており、オーケストラとしての活動が思うように出来ない中、なんとかアンサンブルだけでも頑張ろうということで、各チーム練習を重ね、本当に久しぶりにお客様を前にして演奏が出来る予定でした。
 それが、約1週間前の3月6日になって突然中止の連絡。神奈川区から中止するよう通達があったという理由だそうです。何故1週間前にそんなことを言うのか。もっと早く言えたはずなのではないか。全部で10団体くらいが参加する予定だったのですが、多くの参加者たちに対して何とも思わないのでしょうか。
 強制的に中止にさせるなら、そこまでの準備でかかった経費を全て公費で負担していただきたい。一方的に中止させるだけで、何の補填もお詫びも無い。せめて関係者へのお詫びくらいできないのか。本当に理解に苦しみます。

 声を大にして言いたいのですが、飲食店でもないのにホールが20時に閉館する理由はなんなのでしょうか。
 公共施設なので万一があってはならない。それはそうかもしれません。ですが、ホールが20時以降に開館していると感染リスクが高まるという根拠はあるのでしょうか。あるならきちんとしたデータで納得させていただきたいです。
 第1波の頃から電車は満員。映画館も1席飛ばしをやめて既に全席入れている中、ホールが未だに1席飛ばしを義務付けているのはどうしてなのでしょうか。
 プロオーケストラがとっくにマスク無しで公演を開催している中、声を出さない弦楽器にマスク着用を義務付けられている理由を聞いても、行政からそう指導されているからと繰り返すだけで、誰も教えてくれません。

 私個人でも、行政の対応によって、もはやざっと考えただけでも昨年の3月から10~11ヶ月分くらいの仕事が全てキャンセルになっています。飲食店には協力金が出るのに、職を奪われている音楽家には何の保障もありません。我々も時短に協力しているのに。強制的に協力させられているという方が正しいかもしれませんが。

 感染者は減ってきているものの横ばいで、収束する兆しがなかなか見えてきません。よしんば緊急事態宣言が解除されたとしても、ホールの時短が終わり、練習場が従来通り使えるようになるという保障はどこにもありません。
 政治、行政による非科学的、非合理的、前時代的な対応には憤りを覚えています。昨年からされてきた対応を私は絶対に忘れません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA