1月28日に奏者発表がされたので、今回のオーディションについて少し記しておこうと思います。
まず、奏者プロフィールが公開されはじめるにあたり、今回の合格者全員が幼少の頃からゲーム三昧であったヘビーゲーマーかというと、必ずしもそうではない事をお伝えしておきたいと思います。
もちろん、最新のFPSにハマっているほどのヘビーゲーマー、そしてゲームそのものはあって当たり前という環境で成長してきた奏者の数は、従来のプロオーケストラの比ではないでしょう。
そんな中に、これまでゲームとほとんど縁の無かった奏者が多少なりともいる事も、また事実です。では、なぜその方たちを採用したのか。理由はいくつかあります。
まず、プロオーケストラのオーディションとなると、何をおいてもまず実力の面が挙げられると思うのですが、実力さえあればいいのかというと、事はそう単純ではありません。
今回のオーディションでは実技の他、全員に対して面接を行ないました。一人あたり5~6分の短い時間ではありますが、受験者を300人とすると1,500~1,800分、実に25~30時間にわたり、日本BGMフィルで活動したいという音楽家の方々と話をさせていただきました。
その中から、実技で一定以上の水準であると判断され、かつ面接において目標に向けて共に活動できると判断した方を合格としています。もちろん、それは私一人の一存ではなく、審査員、面接官全員の意見を集約したうえでの話です。
逆に言えば、実力があっても面接の結果、残念ながら落選した方もいらっしゃいます。個別の合否理由については一切非公開なので、誰がそうであるのかは審査に関わった人物以外、誰にも永遠にわからないので、あしからずご了承ください。
例えゲームの知識があまり無くても、日本BGMフィルの理念、活動方針に大いに同意していただき、ゲーム音楽を主に演奏するプロ団体という新しい形の音楽活動で、お客様に音楽の楽しさや可能性を伝えていく事にチャレンジをしたいという方は合格とする事にしました。
ゲームとほぼ縁の無い奏者を採用する事については議論があったのですが、愛好家とは違う視点、愛好会では持ち得ない視点からゲーム音楽を俯瞰する事ができるのではないかという意味で有意義であるという結論に至りました。私なんかは小さい頃からゲームをやって当たり前の環境で育ってきたので、ゲームをプレイすることで得た意識の共有は図れても、斬新な切り口で解釈する事は難しいと思います。そういった面で、面白い発見があるといいなと思います。
TO BE CONTINUED…