打楽器なんて嫌いだ!
なんて言ったら打楽器奏者に怒られますが、打楽器を表す名前は苦手です。だって、何がなんだか分からないんですもの。
何でこんな事を書くかというと、次回のコンサートの最後にファランドールが待ち構えているからです。
ファランドールと言えば、いわゆるプロヴァンス太鼓が登場するわけですが、あるスコアには「Tamburin(独)」と、またあるスコアには「Tamburello(伊)」と書いてあります。これ、全く違う楽器です。前者はタンブリンという発音ですが、「中太鼓(この場合プロヴァンス太鼓)」を指し、後者は「タンバリン(よくカラオケで振るやつ。私は振りませんが)」になります。
1年半前にファランドールを振ったときは、これタンバリンじゃなくていいの? と思いつつも、良く考えずにプロヴァンス太鼓を指定してました。その時は全く疑問も問題も無かったのですが、スコアに準拠するならタンバリンを使うべきだったのかもしれません。
実際、カラヤンの録音では堂々とタンバリンを使っており、
「プッ、ヤンカラ間違えてやんの」
と笑っていたのですが、どうも間違いとは言い切れないようです。
アルルの女の「アルル」はプロヴァンス地方であり、プロヴァンス太鼓が正しいのだろうと思いますが、スコアの出版の際に様々な原語に訳された結果、語感が似ているため、途中で混ざってしまい、どちらが正しいのか分からなくなってしまったようです。
タンバリンはタンバリンでお祭りっぽい雰囲気が出るし、あながち間違いではないのかもしれません。
カラヤン様、笑ったりしてゴメンナサイ(プッ
ちなみに、
Tamburino(伊)タンバリン
Tamburello(伊)タンバリン
Tamburo(伊)太鼓
Tambourin(仏)プロヴァンス太鼓
Tamburin(独)プロヴァンス太鼓
勘弁してくれ!
スッペの「軽騎兵序曲」のスコアには「Tamburo」としか書いてありません。どの演奏を聴いても、ほぼ100%小太鼓(以下スネア)を使用しているのですが、スネアであれば正式には「Tamburo piccolo」と書かなければいけないはずなのです。しかし、慣習的に「Tamburo」でスネアを表す事になっているようなので、そう納得するしかないです。確かに、軽騎兵を響線の無い太鼓でやったら別の曲になりそうです。
その他の楽器にも本当に色々ありまして、ティンパニやらシンバルやら、逐一各言語でいくつも呼び方があり、頭がゴチャゴチャになります。同じ楽器なのに同じ原語で呼び方が複数ある楽器すら。
「Cymbals」と「Becken」と「Piatti」が同じだなんて誰が思うんですか! 言ってしまえば管楽器もそうなんですけどね。覚えるしかないですね。
余談ですが、オーストリア出身の「Suppe(‘)」ですが、ドイツ語なら「ズッペ」、オーストリア訛りだと「スッペ」になります。はぁ、ややこしい……。
そういえば小学校の頃、同級生に「スッペ」と呼ばれていた女の子がいたような(以下無関係なので略)