ネットを見てたら、昔の漫画(らしい)の1ページがあって、そこに、すぎやまこういちさんのセリフが載っていました。
インタビュアー「すぎやま先生はゲーム音楽についてどうお考えですか?」
すぎやまさん「うん、ゲーム音楽はレコードのヒット曲作りとはまったく逆かな」
イ「どういうことですか?」
す「ヒット曲で大切なのは、一度聞いただけでインパクトを与えなければいけないのね」
す「でもその分数ヵ月後には飽きられちゃう。それでいいし、そうあるべきなんだけどね」
す「でもね、ゲーム音楽はその逆!」
す「長時間聞く。ゲーム音楽は地味でもいいから、何回聞いても飽きない曲でないとね」
す「だからパッと見よりも、聞き飽きない、言わば聞き減りのしない曲、それが基本だよね」
イ「ぼ、ぼくもそう思います。ジャンルで例えると、ゲーム音楽は何十年何百年と人に聞いてもらえるクラシック音楽ですよね!」
これが本当にすぎやまさんの発言かどうかは定かではありませんが、自分の言いたいことをスパッと言ってくれた気がします。そこが映画やCMなど、その他の実用音楽との違いではないでしょうか。流石にクラシック音楽とはちょっと違うと思いますけども。
絵柄を見る限り、恐らく二十年くらい前の漫画のようですが、当時からここまで言えているすぎやまさんの考え方ってすごいなぁ。
確かにそうなんですよね。例えば、RPGのレベル上げなんかをしているとフィールドと通常戦闘のBGMを延々と聞くことになるのですが、私は聞き飽きたという経験は今までありません。それだけ練りこまれた音楽だという事が言えるでしょう。
しかし、ゲーム音楽がいいと感じる要因は、単純に出来がいいという以外にもあるはずなのです。
ゲーム音楽(映画なども同じく)は、ゲームそのものと密接に関わっている。
そこが重要なのではないでしょうか。
前述の場合は、レベルを上げるために能動的にキャラクターを動かしていますし、頻繁にフィールドと戦闘画面が切り替わります。すなわち、音楽だけをただひたすら聞き続けるという状態はまず無いわけです。そこが一つの要因にあげられるかもしれません。
音楽に飽きるということは無くても、レベル上げそのものに飽きることはありますよね。だから、人によっては、当然曲も飽きたと感じることもあることでしょう。
それから、ゲーム音楽がプレイヤーの記憶に鮮明に残っているのはゲームそのものの思い出と直結しているからであると思います。
ゲームを抜きにすれば80点だと思える曲だったとして(音楽に点数をつけるのは嫌いですが、便宜的に)そのゲーム自体が面白かったり、思い出に残るようなものだったとすると、曲も90点、100点として、言ってしまえば「美化」されて記憶に残ると思うのです。
人によっては効果音まで再生されますよね。ゲームを知らない人と、ゲームに思い入れがある人では曲の聞こえ方が違うのではないでしょうか。
ではやはりゲーム音楽は、ゲームをプレイした人たちにしか受け入れられないものなのでしょうか。いえ、ゲームと切り離したとしても優れた曲は山ほどあります。だからやっぱり、ゲームファンだけではなく、もっともっと多くの人に素晴らしい音楽を届けたいなと思うわけです。