こんなタイトルの記事が流れてきたんですね。
『テトリス』や『ドンキーコング』の作曲家が逝去、ゲーム音楽業界に大きな貢献残す
田中宏和さんはドンキーコングの作曲は手がけてないんですが、テトリスとドンキーコングのコンボで一瞬「えっ、田中宏和さん亡くなったの!!?」とギョッとするじゃないですか。(田中宏和さんごめんなさい)
で、リンク開いたら全然別人で。
『テトリス』や『ドンキーコング』の作曲家が逝去、ゲーム音楽業界に大きな貢献残す
AC版『テトリス』やAtari 800版『ドンキーコング』の作曲家として知られるBrad Fuller氏がすい臓がんで亡くなっていたことが、海外メディアを通じて報じられています。
主にアーケードゲームのBGMを手掛けてきた同氏ですが、過去には『Star Wars: The Empire Strikes Back』『Indiana Jones and the Temple of Doom』と言った映画タイイン作品にも参加。また、海外スタジオでオーディオ・ソフトウェア開発に携わっていた経験があり、ゲーム音楽業界に大きく貢献していました。
Brad Fuller氏の公式ブログでは遺族からのメッセージが投稿されており、これまで応援を続けてきたファンに向け感謝を述べつつ「彼はがんを相手に懸命に戦ってきましたが、安らかに眠りました」とコメントし、記事を締めくくっています。
ふざけてんのかと。いや、INSIDEは立ち上げ当初NintendoINSIDEだった頃から好きで見ている(た)サイトですし、いつも新日本BGMフィルの記事をリリース通りじゃなく、きちんと丁寧に記事に仕立てて掲載してくれるのでとても好きなサイトなんですよ。いつも大変お世話になっております。代表として御礼申し上げます。ありがとうございますありがとうございます。でもそれとこれとは別ということで言わせていただこうと思います。
色々ツッコむ前に全体を見てみたところ、どうも姉妹サイトからの転用記事らしいですね。で、転用元がこちら。
AC版『テトリス』アタリ版『ドンキーコング』作曲家が逝去、ゲーム音楽業界に大きな貢献残す
記事の内容は同じですが、タイトルが全然違います。パッと見同じようですが、全然違います。転用元は正確です。対してINSIDEのタイトルは酷杉内。INSIDEの他の記事を見ても、タイトルの文字数制限というわけではなさそうです。なぜそこを削った。それ重要だろう。これが煽り目的じゃなかったらなんなんだと。誰ですかこれ書いたの。クラス全員目をつぶっているから挙手して訂正していただきたいレヴェルの酷さです。このタイトルはない。っていうか、記事の内容は一言一句同じなのにタイトルだけ削っているあたり、確信犯(誤用)ですよねこれ。みんなびっくりするだろこれみたいな。だとすると、故人にも田中宏和さんにも大変失礼だと思うのですが。
次に記事の内容を見てみますと、こちらもまたすごい。
引用元が明示されていなかったので、ちょっと検索してみたところ、ここかなというサイトを発見しました。ビンゴですね。
Tetris and Donkey Kong composer Brad Fuller passes away
せっかく検索して発見したのですが、よく見ると記事が終わって広告のさらに下に申し訳程度に「関連リンク」としてリンクが貼ってありました。時は金也。金返せ。しかしながら、翻訳記事なら翻訳記事だと明示するか、引用元を文中に記せよと。海外メディアを通じて報じられていますじゃねぇよと。最低限のマナーとかルールとかの話じゃないんでしょうか。自分で考えた文章みたいになってるじゃねぇかと。引用元より広告が大事なのかと。どうなってるんだこれは。
AC版『テトリス』やAtari 800版『ドンキーコング』の作曲家として知られる
Brad Fullerさんに対しては大変失礼かと存じますが、少なくとも日本国内で「知られる」というレヴェルの方ではないでしょう。でもこれを書いたライターさんは「知ってる」し、「知られ」ているレヴェルの人だと思っているわけですね。アメリカ人に対して冠二郎さんを「アメリカで演歌歌手として知られている」と紹介してしまった感を受けます。すごく幅広い知識をお持ちのライターさんです。海外のゲーム音楽事情についてはこの方にお任せしておけば万全ですね。お任せするならアッコさんよりこのライターさんです。日曜のお昼はこのライターさんで決まり! なお、私は薄学なもので存じませんでした。「海外で」の一言があるだけで全然違ったのではないでしょうか。
『Star Wars: The Empire Strikes Back』『Indiana Jones and the Temple of Doom』
いやいや、なんでこれ原語なんですかね。「ドンキーコング」や「テトリス」はバッチリ日本語訳してるのに不思議です。エンタメのライターなのにこのタイトルを知らないとは思えませんので、恐らく海よりも深い理由があるのではないかと推察いたします。それがなんだかは一生分からなそうですが。前者は「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」、後者は「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」だとすぐ分かると思うのですが。単なる一映画ファンの素人である私でも分かりましたが、このライターさんは海外のゲーム音楽事情に詳しくても、超有名な映画についてはご存じなかったのでありましょうか。
映画タイイン作品にも参加。
ちょっと何言っているか分かんないですね。(c)サンドウィッチマン
映画タイイン作品とは。なんでそこは訳したのか。ここは訳さないとおかしな文章になるから、でしょうか。「映画tie-in作品」じゃライターとしての資質を疑われかねないからね、仕方ないね。でもこれは。もうね。酷い。なにいってだこいつ。”tie-in”は日本では「タイアップ」なのですが、ほんの数秒を使ってググろうというライターとしての心構えがないのか大変疑問であります。「映画タイイン作品」は「映画のタイアップ作品」です。一読した時はタイで作った映画か何かなのかと思いましたが、眠っている脳味噌を一瞬でも回転させればピンとくるレヴェルです。でもきっとこのライターさんはタイインという言葉を普段からつかっているのだろうからしかたないとおもいました。
多数のライターを抱えていれば、ライター個々の力量はピンキリであろうとは思います。そこは仕方がないところでしょう。しかしながら、このような記事がそのまま掲載されてしまう辺り、色々と大変なのかなといらぬ心配をしてしまうのでありました。デスクみたいな人はいないのでしょうか。ニュースサイトの内情を知らないので全然分かりませんが。
それでですね、ここまで書いてふと思ったのですが、この記事を書いたのが外国人であれば納得です。外国人が英語記事を慣れない日本語に頑張って訳して掲載したと。それなら腑に落ちます。なるほど全て納得です。色々言ってごめんなさい、です。でもやっぱりチェック体制はきちんとできないんでしょうか、と思った次第です。(どちらにしてもINSIDEのタイトルは)アカン。PV稼げてなんぼなんでしょうか。なんだかなぁ。阿藤快さん、あちらでお元気ですか。
新年最初の更新がこんなのでいいんでしょうか。