映画館のサイトを見てたら「信長協奏曲(コンツェルト)」というタイトルの映画があったんですが、なんでコンツェルト? 協奏曲ならイタリア語の concerto(コンチェルト)じゃないですかね? ドイツ語の Konzert にしたのかと思ったらアルファベットのタイトルでは concerto と書いてあるではないですか。
こういうことを書くと、そんな細かいことどうでもいいとか、気にする方がおかしいとか、うるさい野郎だなと仰る方が世間にはゴマンといらっしゃるのは重々承知しておりますが、気になるものは気になるわけです。
外国語をカタカナにするというのは簡単ではないですし、コンツェルトと書いても絶対に許容されないというものではないと思います。それでも協奏曲を指す concerto をカタカナにするならコンチェルトなんですよ。イタリア語で ce は「チェ」と発音するのであって、「ツェ」ではないです。イタリア語で甘いという意味の dolce という単語がありますが、これをドルツェと言ったり書いたりしている人は見たことがないです。ドルガバこと Dolce & Gabbana は「ドルチェ アンド ガッバーナ」なんです。「ドルツェ アンド ガッバーナ」なんて言ったら張り倒されます。たった二例見ただけでも concerto でコンツェルトと書くのは例外というか、誤りだと言われてもやむなしだということがお分かりいただけるかと思います。
で、これは分かっていてやっているのか、それともクラシックの用語やイタリア語を知らず、コンチェルトよりコンツェルトの方が響きがカッコイイと思ったからなんとなくつけただけなのか、タイトルを決定する前に誰か調べなかったのか、調べた結果コンツェルトを選択したのか、誰もツッコまなかったのか、何か理由があるのか、ということが私にとってはとても気になるわけです。別にコンツェルトでもいいんですけど、なんでコンツェルトという表記にしたのかという謎が私の好奇心を掻き立ててそれはもう眠れないわけです。気になって検索したところで何もヒットしません。誰も気にしていないのか、気づいていないのか、気にする人などいないのか。
私は人様に何かを講釈できるような人間ではございませんが、コンテンツを作るにあたって、細部は大切にした方がいいですよ派なんですね。「チ」か「ツ」かという些細な違いではあります。そこに思いがこめられていたり意味があればいいんですが、知らなかったとか調べなかったでコンツェルトにしたのであれば、そりゃないだろう手抜きにもほどがあるいい加減すぎだろ今からでも変えろよと思う次第です。カタカナ表記をコンツェルトにするならドイツ語の konzert にしていただきたかった。調べてみたら漫画原作みたいで、コンツェルトという記述が何かしら話の鍵を握ってくるですとか、伏線になっているのであれば納得ですが、どうなんでしょうね。
だいたいですね、コンツェルまで聞いた時点で、コンツェルンしか思い浮かばないんですよ。それもおぼっちゃまくんの御坊コンツェルンが真っ先に出てくるんですね。だから個人的に余計にダサく感じてしまうという理由が隠されている可能性は否定できません。言うまでもありませんが、おぼっちゃまくんはダサいどころか最高にクールだと思っておりますので何卒よろしくお願いいたします。