嫌いなものも言えないこんな世の中じゃ

 ああ、そんな事件もあったよなぁと思いだしました。思い出したと言うか、サザンファンなら常に頭の片隅にあったと思いますけどね。

【紅白】サザン桑田vs長渕“犬猿バトル”再び?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141128-00000000-tospoweb-ent

 東スポですし、記事の内容は別にどうでもいいのですが、まぁ件の曲は明らかに長渕批判だろうと。誰が見てもそう思うわけです。

 リアルタイムで報道を見ていたわけではないので、wikipediaなど改めて調べてみたところ、泉谷さんの発言がああそうだよなぁと。wikipedia出典なので話半分に見てもらいたいのですが、すなわち

桑田、何で『長渕を歌ったんじゃない』なんて言い訳したんだ。初めから『テメーのことを歌ったんだ。おまえが嫌いだ。謝んねえぞ』といってやりゃよかったんだよ。

 これに尽きるよなぁと。桑田さんの説明は、明らかに嘘と分かる言い訳なんですよね。エンタメ的には思いっきり名指しで批判して引火誘爆大炎上が好ましいのではないかと思うわけです。

 そういうの結構好きなんですよね。だって人間なんだから、自分の感情に素直でいいじゃないですか。嫌いなものは嫌いなんですし、嫌いと言って何が悪いんだと。腹に据えかねるなら喧嘩すればいいんですよ。喧嘩しなくたって、お互い言いたい放題言ってればいい。

 そんな混沌が好きだったりするわけですが、どういうわけか、素直な感情の発露は悪い事だと、いい子にして規範とならねばならないという風潮が世論となっているようで、どうにも居心地の悪さを感じる事があります。

 火事と喧嘩は江戸の花という言葉がありまして、数世紀経った現代においても変わっていなくて、原義とは離れるんですけども、ネットの炎上事件も、人と人との諍いも、みんな見物するのが大好きなわけじゃないですか。でも決して自分は当事者にならないように匿名だったりするというやり方が陰湿なのですけども。

 そんな陰湿なものではなくて、有名人同士が名前出して喧嘩するみたいなのは全然オッケーだと思うんですけど、最近は全くと言っていいほどなくて面白くないなぁと思ったりしているわけです。あったとしても話題作りの出来レースですし。

 昔はミュージシャン同士がバチバチやってて、雑誌のインタビューとかで相手の事をボロクソにこき下ろしてあいつ死ねよクソがとか喧嘩してた時代があったんですよね。今も血気盛んな一部の人の間ではあるかもしれませんけども。

 なんかそういう空気って好きで、いやまぁ一般的な道徳感では喧嘩は悪い事なんでしょうけど、名前出して言いたい事を言い合ってるんだから、開放的というか、カラッとしていてすがすがしいというか、むしろ健全な気がするんですよね。

 私も含めではありますけど、なんでみんなもっと本音でぶつからないのかなぁと思う事は割とあって、そういうのは色々周りに及ぼす影響とか考えたりして言えなかったりするんですけど、周りへの影響って何なんだよとか思います。一人にそんな影響力なんてあるわけがないですね。結局他人から嫌われる事を恐れているだけじゃないかなと。

 仲の良い間柄であっても、気に食わない事ってあると思うんですけど、そこで関係が壊れるとか気にして、言いたい事を言わないのは違うと思うわけです。言いたい事は言って、喧嘩をしても別に嫌いなわけではない。それでいいじゃないかと。言いたい事を言って壊れる関係なんて、いずれ崩壊するのだろうし、最初から無かったと思えばどうってことない気がしますし、きちんと話せば落としどころって案外見つかるものなんですよね。

 日本人が議論が出来ないと言われるのも、その辺に理由がありそうな気がしています。意見の相違によるぶつかり合いと、人格否定の区別が出来ない人が多い感じがするのです。

 まだ色々浮かぶのでもう少し書こうと思ったのですが、話が飛びすぎてとりとめがなさすぎるので終わりという事で。ともあれ、自分の感情に素直に生きたいものだなぁと思う次第です。

 沈黙は金という言葉もある通り、黙っているのは大人だなと思うし、でも同時に大人である事が正解だとも思わないんですよねぇ。