オーディション後記 4/4

 正直な話、今回のオーディションを開催するにあたり、ゲームに理解、愛情があり、かつ力のある奏者というものが、世の中にどれだけいるのか、そして集まってくるのか不安がありました。
 前述しましたが、今回は実力だけでも、ゲーム音楽への情熱だけでも合格とはしていません。ゲーム音楽の演奏自体は重要ではなく、ただプロオーケストラの奏者というポジションにつきたいという動機の人が来るなら、合格にはしない前提でオーディションを開催しました。そのせいで奏者が全然決まらなくても仕方がないとすら思っていました。

 それは、蓋を開けてみれば杞憂に終わったわけです。

 ――こんな楽団が出来るのを心待ちにしていた。
 ――今こそ自分の出番だと思った。
 ――自分がここに入らずにどうするんだ。

 そんな熱い想いを持った音楽家が集まってくれたのでした。

「今、ファミコン版のソロモンの鍵をクリアしようと頑張ってるんですけど難しくて……」

 そんな会話が出て笑いが起こる面接は、そうそう無いでしょう。

 ファミコンという単語が出ましたが、MSX、ファミコンから最新のWiiUまで、あらゆるハードを所持している方がいます。
 好きなジャンルも、RPG、アクションといった王道はもちろん、FPSやネオロマンスまで多岐にわたっています。
 あまりメジャーとはいえないゲームの名前も面接でたくさん耳にしました。
 グラディウスをノーミスでクリアできるのが特技だという方もいました。
 ロマサガ3を100周近くしているという方もいました。

 そんな人たちが集まったオーケストラ、想像すると楽しみになってきませんか。

 これから奏者プロフィールが順次発表されていきますので、楽しみにしていてください。奏者一人ひとりもクローズアップしていきたいと思っているので、オーケストラ全体だけではなく、奏者個人も応援していただければ幸いです。好きな奏者を見つけたら、また楽しみが増えると思います。

 そんなこんなで、発足から約半年でオーケストラとしての形が作られたわけですが、これから予定されている二次募集や、コンサート開催のためにまだ越えなければならない壁もあり、お披露目にはもう少し時間がかかると思います。
 お待たせしていて本当に心苦しいのですが、間違いなく前進しているので、どうか長い目で見守りつつ、応援をしていただけるとありがたい限りです。

FIN.

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