ファミコン版のドンキーコングで分からないこと

 私のゲームの原体験に近いところに位置するソフトがファミコン版のドンキーコングだ。

 このアーケード版から1ステージ削られボリュームダウンし、内容も複雑とは言えないゲームを今でもたまに遊ぶのだが、今だに分からないことがある。35年も前のゲームだし解析している人がいるのではとふと探してみるが、いつ探しても見当たらない。

・分からないこと1「スタート地点のドラム缶」

 1面(アーケード版の25m)でゲームスタート直後にマリオが出現するポイントの左に[OIL]と書いた青いドラム缶が設置してあるのはご存知かと思うが、このドラム缶の上部に向かってジャンプするとミスになる。ドンキーコングの落としたタルが入って火がついた後なら分かるのだが、火がつく前からミス判定がある。これは一体何なのか。何故なのか。

 これについては仮説がある。この部分はドンキーコングの投げるタルが接触すると同時に火のグラフィックが表示されるように設定してあり、当たり判定のオンオフまでは対応していないというもの。すなわちゲーム上はスタート直後から火がついているという扱いになっているのではないだろうか。マリオは見えない火に接触してミスしているのだ。あくまで仮説だが。

・分からないこと2「1面のワープ」

 同じく1面の最初の昇りハシゴに対して左に半身くらいずらして下キーを入力すると、マリオが何も無い下の空間に向かって、グラフィック上は存在しないハシゴを降りていき、画面上部から出現して大幅な短縮が出来るというもの。

 これはどういった条件下で起こるのか。意図して仕込まれた裏技なのか、バグなのか。今だに分からない。裏技かバグかという観点では間違いなくバグであろうと確信しているが、発生条件が分からない。再現性が無いというのだろうか。1面がスタートした時点で行ける、行けないの判定が出来ない。実際にその場所でマリオの位置を微調整しながら下キーを押すしかないのだ。しかも必ず出来るわけではなく、出来ない時がある。どういう理由なんだろう。さらに言うと、ワープ途中でタルか何かに当たった判定がなされ、暗黒空間でミスとなる時がある。これも分からない。この現象について検証しているサイトも見当たらない。とても知りたい。

・分からないこと3「3面のおじゃま虫出現頻度」

 3面(アーケード版の100m)で出現する敵キャラの「おじゃま虫」だが、スタート直後は画面上に存在しない。だが、一定時間(だと思う)ごとに出現し、増えていく。この出現の法則が分からない。が、これは恐らく厳密に測定していけば法則性を発見出来る気がする。分からないのは、子供の頃流れた噂である。それは、

「ジャンプをすると(おじゃま虫が)出てきやすくなる」

 というもの。
 誰が言い出したのか、どこから流れてきたのかさっぱり分からないが、子供心にこれを信じて、3面では極力ジャンプをしないように攻略していたし、今でもそうしている。ジャンプをするのは、既に通過した、ボルトがあった部分の穴を飛び越える時だけだ。もっとも、3面ではそれかハンマーを取る時以外にジャンプをする必要は無いだろう。

 となれば、元々の出現頻度を調査し、ジャンプを行った場合と比較すれば解を導くことが出来そうではあるが、恐らくそれには膨大な時間を要することになると思われる。どなたかご存知の方はいないだろうか。

 上記は代表的な不明点であり、もっと細かいことであれば、1面の「ひのこ」の挙動はどうプログラムされているのか、2面の「ジャッキ」の軌跡は個体差があり、周回ごとに異なるパターンが使用されているようであること、3面の「おじゃま虫」の行動パターン等、知りたいことは山積みである。発売から35年経ち、当時のことを知る人が今後どんどん減っていくであろうことを考えると、ゲームのこうした細かい部分を開示したり、後世に情報として残してもらえると嬉しいものだと考えてしまう。

 ふと思いついたのだが、考えてみれば日本語でしか検索をかけたことがなかった。こういう情報は海外のマニアの方が進んでいたりする。分からないままになりそうだったら、今度は英語で検索してみようか。