少し長いのですが、著作権フリークの皆さんはもちろんの事、そうではない方も読んでおいて損はしない文章がありましたので、ご紹介したく思います。
日本の音楽に自由を!:「元JASRAC」作曲家・穂口雄右が語る、著作権問題とその元凶
http://wired.jp/2012/11/26/interview-copyright/
キャンディーズ「春一番」がカラオケから抹殺されていた
http://www.asagei.com/9137
読んでいただいたという前提で書きますが、
とにかく誰もがもっと自由に音楽を楽しめるべきなんですよ。ご存じと思いますが、アメリカではYouTubeで動画を削除するっていうことはほとんどないですよ。よっぽど犯罪的なものとかでなければね。ましてや著作権の理由で削除するなんてことは行われない。
という辺り、削除されないというのは若干大袈裟な表現なのかもしれませんが、日本の立ち遅れた著作権意識をズバッと指摘されており、現状に対してなんとも残念な気持ちになります。以前エントリーに書いた、ディズニーキャラを無断で登場させた映画も結局訴えられるどころか、ディズニーが認めたようですしね。
また、2番目の記事中にある
この条文の中でも『これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ』が重要で、著作権を盾にして国民の楽しみを奪う行為は、著作権法の立法の精神に反する行為と言っても過言ではないでしょう。
という部分は大きく頷かされるものがあります。
該当の文言は著作権法第1条に出てまいります。
1.この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。
著作権法の最初に書いてあるわけで、著作権法を定義する根底となる条文と言えるでしょう。
では公正な利用とは何なのかというと、いわゆる例外規定をはじめ、いくつかの規定がそれに該当するとされているのですが、果たしてそれだけで公正な利用に留意したと言えるのかどうか、個人的には疑問符を付けざるを得ないと思っております。
よくある話として、著作物を利用するにあたり、どんな名目であっても観客から1円でも徴収した場合は著作権法違反であるという事になりますが、本当にそうなのでしょうか。いや、法律上はそうなのですが、その辺りの意識を見直す必要があるのではないかと強く思う次第です。
同人誌があれだけの市場規模を誇っているのは、ひとえに絵の著作権に関しては黙認が前提という事になっており、権利者、利用者共にある程度の暗黙の諒解があるからであるわけですが、絵についてはあれだけ黙認されていながら、なぜか音楽は厳しいという理由が私にはよく分からないのですね。いくら考えても納得のいく答えが出てきません。
100枚200枚売れれば御の字、製作費を賄える程度という二次創作のアルバムを自分で作ったとして、それが公正な利用に反しているのかどうか。好きな音楽を自分でアレンジをして人前で演奏したらそれだけで違法と言っていいのかどうか。
もちろん、著作権者の権利の保護は大切です。それは前提となります。しかしながら、著作隣接権の威力があまりに強すぎるあまり、利用者から見た「公正な利用」が排除されているという感は否めない部分があるのではないかと思っております。
前述いたしましたが、具体例として、町内会でゲーム音楽を楽しむ会を開催しようと公民館を借り、場所代やお茶菓子などといった諸経費を賄うため、会費の名目で一人500円を徴収してゲーム音楽を聴くなり演奏するなり楽しんだとしましょう。法律的には、これはもう著作権法違反であると。そんなバカなという話です。こんなことが平然とまかり通る方がどうかしていると思うわけですね。
長くなったので次回に続きます。