近所のカレー屋の味が変わった理由と昨今のインドカレーを取り巻く環境について

 近所に年に5回くらい行く感じのインドカレー屋があるのですが、前回行った際に、明らかに味が変わっていて、今までは安いし近いからまぁいいかくらいの店だったのが、この味ならもっと通ってもいいなと思える味になっていました。

 前からこんな美味しかったっけ? 気のせいかな? と思っていたのですが、つい先日行った際に再度食べて確信に変わりました。はて一体何事かと思ったのですが、こんなやり取りで理由が判明いたしました。

市「これ、前にもらったクーポンなんですけど、使えます?」

印「これもう使えない」

市「あ、古すぎますか?」

印「これ前のネパール人がやってた時の。今インド人になったから」

市「お店の名前一緒なのに!?」

印「そう。インド人になって美味しくなった」

 もうね、合点がいって膝を叩くとはこのことですよ。

 実は、以前から外国人が経営するインドカレー屋について皆さんに一言言いたかったのが、まさにこれです。

 今や街中の至る所で外国人経営のインドカレー屋を見かけると思うのですが、実はそのほとんどはネパールの方がやっているんですね。

 で、ネパール人の作るカレーとインド人が作るカレーってのは味が別物なんです。私は圧倒的にインド人派でして、できれば常に(くおお~!!ぶつかる~!!ここでアクセル全開、)インド人を右にしたいくらいなんですが、カレーフリークではない世間の9割の人は、ネパール人がやっているカレーをインドカレーだと誤認している状態です。

 大体見た目で分かりますので、「今日のお昼はインドカレー! 美味しい☆」とか言ってネパールカレーをアップしている残念な感じの投稿(スイーツ女子に多い傾向)が多い現状を嘆いておりまして、「違う! それはインドカレーじゃねぇんだ! 違うんだよそれは!(いや、美味しいと感じるのは自由だけどインドカレーを食べてから言ってくれ!)」と心で叫んだりしていた次第であります。

 いいですか? カレーが銀色の食器に入っててナンがついてるからって何でもインドカレーじゃないんだヨ!

 また、先日私が今一番好きなカレー屋に行った時、

「最近はネパール人がインドカレーと言って売る店ばっかりになっちゃって、本当のインドカレーを作ってる店は困ってるんですよ。せっかく本場のを苦労して作ってるのに、あれがインドカレーだって思われちゃうとねぇ……」

 と、お店のおばちゃんが寂しそうに言っていたのが思い出されます。

 日本で真面目に働いているネパールの方を腐すつもりはないのですが、私はネパール人経営のインドカレーは美味しいとは思えません。インドカレーではなくネパールカレーを名乗っていただきたい。それならなんの文句もありません。ナンだけに。

 自分でカレーを作る時も、ネパールのインドカレーよりは美味しく作れますが、インドのインドカレーの複雑な味はどうやっても出せません。あの味が家で作れるようになるなら厨房に修行に入りたいくらいです。それくらいインドカレーは美味しいものなのであります。

 な、ナンだってー!?