横浜ベイスターズが勝っている。
過去、信じられないくらいボロ雑巾のように負けることしか出来なかった交流戦をまさかの3つ勝ち越しという成績で切り抜けたのには、辛口フアンを自称する私でも感銘を受けた。何をしても勝つことが出来ない絶望の季節だったのが、一転して上位浮上の切欠となるとは一体誰が予想したであろうか。横浜フアンの誰もが予想だにしなかったのではないだろうか。そうに違いない。
交流戦順位で横浜と讀賣以外のセ・リーグ球団が下位5球団のうち4球団を占めているということから、世間一般の評価としては交流戦の横浜は強かったと言って差し支えないだろう。それどころか、交流戦後の広島3連戦で2勝1分という成績を残すに至り、今は完全に波に乗っていると感じられる。(だが、3戦目に勝ちきれず引き分けに終わったところに若干の翳りを感じたのも事実だ)
広島が調子を落としているとはいえ、パ・リーグとの相性が悪かっただけなのではと思っていたし、逆に横浜もパ・リーグとの相性がたまたま良かっただけなのではと思っていただけに、この結果には驚いた。広島といえば、ここ数年は圧倒的な強さを誇り、1強5弱といってもよい状況を生み出していたわけで、まるで歯が立たない雲の上の球団のようにすら感じられた。それが全く逆の立場のような試合運びを目の当たりにし、とてもではないが信じられない思いがした。
交流戦に入ってからは勝ち試合も負け試合も面白い試合だったと思えるような内容が多くなっている気がしている。10連敗、1勝、1敗、2連勝、5連敗、1勝、2連敗という、約1ヶ月で借金を14も作ったどん底の状態からここまで復調するとは俄には信じ難い。
だが、強いとはまだ思っていない。本当の強いチームというのは広島戦の3試合目も間違いなく勝つ。投手陣総動員で守りきった12回裏に簡単に三者凡退はしない。だが、総じていい試合はしていると思う。一度リードされると逆転がほぼ絶望的だった前半戦と比べると天と地の差だ。そして流れが来ていると思う。だから勝てている。今の流れを手放さなければよいが、なかなかそうもいかない。そう遠くないうちに、下降線を辿る時期が必ず来る。そこでいかに踏みとどまるかが勝負になると見る。流れが悪いときでも5割をキープする力が必要だ。
だが、次は大の苦手どころか勝つことが奇跡と言える、横浜スタジアムでの阪神戦だ。ここで勝てるのか、今まで通り手も足も出ずに3タテを食らうのかで今の力が分かるというものだ。果たしてどうなるのか、気が気でない。1勝2敗なら御の字だろう。
前置きが長くなったが、そんなことが言いたいのではない。
私はSNSで勝った勝ったとあまり発言していない。だが、試合を放送している時は極力見ているし、見ていない時でも結果は確認している。スマホに速報が通知されるように設定もしている。逐一見てはいるのだ。だが書いていない。というのも、勢いに乗っている時に強いだの勝っただのを書くと、途端に負けたり連敗しだすような気がしてならないからだ。ジンクスというやつである。私が試合を見ると負けるというジンクスがあるので、一時期は結果しか見ない時期もあった。テレビをつけた途端に連打され、点を取られ、負けるのだ。だから、最近でも攻撃だけ見て守備は見ないということを徹底している。見ると打たれるから。だから投手陣の頑張りが数字や文字でしか伝わってこない。誰がどんな投球をしているのか見たい気持ちはある。でも見ない。なぜなら負けてほしくないから。その程度には応援しているということだ。
逆に、酷い負けを喫した時や連敗中は何を書こうと勝つことはないので、割と好き放題書く。連敗中の、雰囲気が悪い時に見せるやる気のない試合や、高校野球にも勝てないのではというような酷い試合を見せられればボロクソにこき下ろすこともある。そんな試合ばかりウン十年も見せられてきたから。それでもずっと応援し続けているから。負けること、怠惰な態度を見せられることが当たり前の世界になってしまっているので、やる気のない姿やプロ野球ではあり得ないようなプレーが出ると、反射的にそれを思い出してしまうのだ。
他の球団のフアンの方には想像もつかないと思うが、横浜というのはそれほど酷い球団なのだ。横浜よりも歴史が長い球団があるというのに、12球団最速で5,000敗を達成した。弱い、弱すぎる。プロ野球史上、最弱のチームと言って間違いない。それでもフアンでい続け、勝ち負けに一喜一憂し、負ければ憤り、応援し続けてしまうのは病気としか言いようがないように思うが、もはや仕方がないだろう。それでも野球が好きだし、野球は楽しいから。もう一つ言うならば、こんな救いようのない弱小球団が破竹の勢いで優勝したのをスタジアムで見てしまっているから。生きているうちにもう一度、横浜が優勝する姿を見たいのだ。そう思っている昔からのフアンは多いのではないだろうか。
なぜ応援しているくせにSNSでは負けたことばかり書くのか気になっている方もいるようなので、ふと思い立って書いてみた。