「みなさんこんばんは。ためしてガッデムのお時間です」
「今回のテーマは、出来れば下げたい『コレステロール値』です」
「さあ、どうですかゲストの皆さん、コレステロール値が高くて気になっている方もいるんじゃないですか」
「楽してコレステロール値を下げたい。そんな事が出来るのか、ガッデムで実験をしてみました」
「それではVTRをどうぞ」
『番組では健康診断でコレステロール値が高いと診断された43歳の会社員、馬米さんにご協力いただきました』
『ガッデム流コレステロール値低下大作戦とは!?』
『出ました、これです。皆さんもよくご存じのマヨネーズ。毎日450mlのボトルを一気飲みするだけでコレステロール値が下がるという情報を番組独自の調査で得たのです』
『馬米さんにはこれから1ヶ月間、毎日マヨネーズを一本、一気に飲み干していただきます。1ヶ月後にコレステロール値が下がっていたら見事実験成功です』
『さあ1日目スタートです。頑張ってくださいね!』
『番組が用意した30本のマヨネーズを見て驚く馬米さん。ちょっと驚かせてしまったみたいです』
『馬米さんのお宅の冷蔵庫はマヨネーズでいっぱい。なんとも壮観です』
『番組スタッフが実験について説明します』
「はい、これを……飲む。はぁ。えっ、一気にですか? 出来るかなぁ」
『まぁまぁそう言わず。コレステロール値が下がるんですから』
「マヨネーズは嫌いじゃないですけど……分かりました。やってみます」
『馬米さん、やはり自分の健康が大切みたいです。そりゃあそうですよね』
『まずは封を開けて……キャップを開けて直接口をつけて、ボトルを一気に押します』
「う、うぐぉっ」
『マヨネーズ一気飲み初体験の馬米さん、ちょっと大変そうです』
『身体を震わせながら一本目をクリアしました!』
(スタジオの川瀬まみ拍手「やったー」)
「げほっ、げほっ」
「こ、これ毎日やるんですか……?」
『もちろんです。これでコレステロール値が下がるんですからね』
『実験開始から5日目。馬米さんの顔色が良くないようです。心配したスタッフが気遣います』
「馬米さん、大丈夫ですか?」
「あ、ええ……。大丈夫なんですけど、大丈夫じゃないというか……」
「じゃあ大丈夫なんですね」
(スタジオの川瀬まみ「ああよかったぁ」)
『実験続行です』
『開始から13日目。馬米さん、まだ一気飲みに慣れないようです』
(無表情でマヨネーズを飲む馬米さん)
『そろそろ体に変化が出てくる頃。同僚の皆さんに聞いてみました』
「ここ最近の馬米さん、何か変わったように見えますか?」
「そういえば何か前と違う気がします」
「あんまり人と話さなくなりましたね」
「一日に何度もトイレに行って困ると上司が言ってました」
「死相が出ているように思います」
『雑談をしなくなり、お通じが良くなったみたいです。さっそく効果が表れているんですね。すごいぞマヨネーズパワー!』
(スタジオの川瀬まみ「すごーい……」)
『開始から23日目。残り1週間、ラストスパートです』
『既にかなりコレステロール値が下がっているはず。しかしここで緊急事態が発生です。馬米さんの顔色が青黒くなり、常に体が小刻みに震えるようになりました』
『心配したスタッフが馬米さんのお宅へ急行します』
「馬米さん、大丈夫ですか」
「大丈夫って、大丈夫に見えますか」
「少し心配しましたけど、大丈夫そうではありますね」
「少し……これが少しですか」
「大丈夫ならマヨネーズ飲みましょう。あと少しですから」
「ッ!? あと何日ですか」
「あと7日です」
「分かりました……。うぐっ……ぐっ」
『馬米さん、涙を流しながらマヨネーズを飲みます。ガッデムスタッフの優しさが心に響いたみたいです』
「馬米さん」
「はい」
「ずっと思ってたんですけど、一気飲み出来てませんよね。一気飲みしないと」
「一気……これ、普通の人やりますか?」
「やりますやります。ガッデム流健康法ですから」
「やりますって簡単に言うけどな……じゃああんたやってみろよ! ええ!」
『何やらスタッフと話し合いが始まったようです』
「いや、私はコレステロール値普通ですから」
「高かったらあんたやるのか!」
「や、やりますよ」
「嘘つくな! こんなの人間がやる事じゃねえだろ!」
「馬米さんやってるじゃないですか。馬米さんは人間ですよね。ほら、人間がやってますよ」
「馬鹿にしてんのかおい! こんなの健康法なはずがあるか!」
(スタジオの川瀬まみ「やだぁ、この人怖い……」)
「じゃあギブアップしますか? ギブアップしたらここまでの苦労はなんだったんですか。あと7日ですよ。たったの7回じゃないですか。馬米さんは23回もやってきたんだ。あと7回くらいなんですか。ここでやめたら後悔しますよ。23回分が無駄ですよ。放送もできません。謝礼も渡せません。放送を楽しみにしている視聴者が悲しみますよ。それでもいいんですか」
「む、無駄……23回が……無駄……」
「そうです。さあ、落ち着いて、冷静になって、よく考えてください」
「今日一日……考えさせてください……」
「分かりました。私たちは強要しませんから、じっくり考えてくださいね。くれぐれも後悔しないように」
『翌日、馬米さんはマヨネーズの一気飲みを再開しました。スタッフの熱い想いが心に沁みわたったようです』
『そしていよいよ最終日。最後の一本を飲み干せば終了です。馬米さん、気合が入ります』
「お、終わりだ。これで、終わりだ……全て、終わり……だ」
『馬米さん、実験の達成感のあまりニコニコして嬉しそうです』
「う、うぐおっ……うげっ……ゴホッゴホッ」
『あとちょっと!』
「ぶふぉ、げほっ、ハァハァ……」
『やりました、ついに1ヶ月間マヨネーズ生活達成です!』
(スタジオの川瀬まみ小声で「なんか主旨変わってない?」)
「げ、限界だ……」
『あらら、馬米さん、床に倒れこんじゃいました。死闘を制したテニス選手の喜び方のようです』
「みなさんこんばんは。ためしてガッデムのお時間です」
「今回のテーマは、出来れば下げたい『コレステロール値』です」
「さあ、どうですかゲストの皆さん、コレステロール値が高くて気になっている方もいるんじゃないですか」
「楽してコレステロール値を下げたい。そんな事が出来るのか、ガッデムで実験をしてみました」
「それではVTRをどうぞ」
『番組では健康診断でコレステロール値が高いと診断された43歳の会社員、馬米さんにご協力いただきました』
『ガッデム流コレステロール値低下大作戦とは!?』
『出ました、これです。皆さんもよくご存じのマヨネーズ。毎日450mlのボトルを一気飲みするだけでコレステロール値が下がるという情報を番組独自の調査で得たのです』
『馬米さんにはこれから1ヶ月間、毎日マヨネーズを一本、一気に飲み干していただきます。1ヶ月後にコレステロール値が下がっていたら見事実験成功です』
『さあ1日目スタートです。頑張ってくださいね!』
『番組が用意した30本のマヨネーズを見て驚く馬米さん。ちょっと驚かせてしまったみたいです』
『馬米さんのお宅の冷蔵庫はマヨネーズでいっぱい。なんとも壮観です』
『番組スタッフが実験について説明します』
「はい、これを……飲む。はぁ。えっ、一気にですか? 出来るかなぁ」
『まぁまぁそう言わず。コレステロール値が下がるんですから』
「マヨネーズは嫌いじゃないですけど……分かりました。やってみます」
『馬米さん、やはり自分の健康が大切みたいです。そりゃあそうですよね』
『まずは封を開けて……キャップを開けて直接口をつけて、ボトルを一気に押します』
「う、うぐぉっ」
『マヨネーズ一気飲み初体験の馬米さん、ちょっと大変そうです』
『身体を震わせながら一本目をクリアしました!』
(スタジオの川瀬まみ拍手「やったー」)
「げほっ、げほっ」
「こ、これ毎日やるんですか……?」
『もちろんです。これでコレステロール値が下がるんですからね』
『実験開始から5日目。馬米さんの顔色が良くないようです。心配したスタッフが気遣います』
「馬米さん、大丈夫ですか?」
「あ、ええ……。大丈夫なんですけど、大丈夫じゃないというか……」
「じゃあ大丈夫なんですね」
(スタジオの川瀬まみ「ああよかったぁ」)
『実験続行です』
『開始から13日目。馬米さん、まだ一気飲みに慣れないようです』
(無表情でマヨネーズを飲む馬米さん)
『そろそろ体に変化が出てくる頃。同僚の皆さんに聞いてみました』
「ここ最近の馬米さん、何か変わったように見えますか?」
「そういえば何か前と違う気がします」
「あんまり人と話さなくなりましたね」
「一日に何度もトイレに行って困ると上司が言ってました」
「死相が出ているように思います」
『雑談をしなくなり、お通じが良くなったみたいです。さっそく効果が表れているんですね。すごいぞマヨネーズパワー!』
(スタジオの川瀬まみ「すごーい……」)
『開始から23日目。残り1週間、ラストスパートです』
『既にかなりコレステロール値が下がっているはず。しかしここで緊急事態が発生です。馬米さんの顔色が青黒くなり、常に体が小刻みに震えるようになりました』
『心配したスタッフが馬米さんのお宅へ急行します』
「馬米さん、大丈夫ですか」
「大丈夫って、大丈夫に見えますか」
「少し心配しましたけど、大丈夫そうではありますね」
「少し……これが少しですか」
「大丈夫ならマヨネーズ飲みましょう。あと少しですから」
「ッ!? あと何日ですか」
「あと7日です」
「分かりました……。うぐっ……ぐっ」
『馬米さん、涙を流しながらマヨネーズを飲みます。ガッデムスタッフの優しさが心に響いたみたいです』
「馬米さん」
「はい」
「ずっと思ってたんですけど、一気飲み出来てませんよね。一気飲みしないと」
「一気……これ、普通の人やりますか?」
「やりますやります。ガッデム流健康法ですから」
「やりますって簡単に言うけどな……じゃああんたやってみろよ! ええ!」
『何やらスタッフと話し合いが始まったようです』
「いや、私はコレステロール値普通ですから」
「高かったらあんたやるのか!」
「や、やりますよ」
「嘘つくな! こんなの人間がやる事じゃねえだろ!」
「馬米さんやってるじゃないですか。馬米さんは人間ですよね。ほら、人間がやってますよ」
「馬鹿にしてんのかおい! こんなの健康法なはずがあるか!」
(スタジオの川瀬まみ「やだぁ、この人怖い……」)
「じゃあギブアップしますか? ギブアップしたらここまでの苦労はなんだったんですか。あと7日ですよ。たったの7回じゃないですか。馬米さんは23回もやってきたんだ。あと7回くらいなんですか。ここでやめたら後悔しますよ。23回分が無駄ですよ。放送もできません。謝礼も渡せません。放送を楽しみにしている視聴者が悲しみますよ。それでもいいんですか」
「む、無駄……23回が……無駄……」
「そうです。さあ、落ち着いて、冷静になって、よく考えてください」
「今日一日……考えさせてください……」
「分かりました。私たちは強要しませんから、じっくり考えてくださいね。くれぐれも後悔しないように」
『翌日、馬米さんはマヨネーズの一気飲みを再開しました。スタッフの熱い想いが心に沁みわたったようです』
『そしていよいよ最終日。最後の一本を飲み干せば終了です。馬米さん、気合が入ります』
「お、終わりだ。これで、終わりだ……全て、終わり……だ」
『馬米さん、実験の達成感のあまりニコニコして嬉しそうです』
「う、うぐおっ……うげっ……ゴホッゴホッ」
『あとちょっと!』
「ぶふぉ、げほっ、ハァハァ……」
『やりました、ついに1ヶ月間マヨネーズ生活達成です!』
(スタジオの川瀬まみ小声で「なんか主旨変わってない?」)
「げ、限界だ……」
『あらら、馬米さん、床に倒れこんじゃいました。死闘を制したテニス選手の喜び方のようです』
『スタッフも歓喜の輪に加わろうと馬米さんの元に駆けつけます』
「馬米さんやりましたね! 馬米さん! 馬米さん? ……馬米さん? あれ? おい、動かないぞ! コールアンビュランス!」
『馬米さん、救急車で病院に移動して、そのままコレステロール値の検査です。番組に気を利かせてくれたんですね。結果はスタジオで!』
「と、いうわけでVTR、いかがでしたでしょうか」
「いやぁ、すごく感動的なVTRでした」
「私、昔からマヨネーズ健康法マニアなんですけど、改めて好きになっちゃいました」
「すっごい手軽なんですね。私にもできそうだなって」
「それでは今回の実験の結果を発表したいと思います」
「馬米さんのコレステロール値は実験前と比較して、なんと」
「5倍に上昇していました!」
「えええええ!」
「上がったし!」
「失敗かよ!!」
「馬米さんはあの後2ヶ月入院して、無事に退院。現在は元通り会社に勤めて元気に働いているそうです」
「それでは本日の実験、ガッデムしていただけましたでしょうか」
ガッデム!
ガッデム!
ガッデム!
「次回のテーマは『集団冷凍庫で凍死寸前大仁田軍団! まさかのデング熱克服法』です」
「また次回お会いしましょう、さようなら!」