野望の王国

 読了。面白すぎた。
 元々ネタ漫画として認識していたため、初期数巻はツッコミどころを探しにかかっていた部分もあったが、それを忘れさせるあまりの熱量に圧倒された。
これを最後まで読んでなおギャグ漫画だと茶化そうとするのはよくない。名作「グラップラー刃牙」と「バキ」を茶化すのと同様であろう。(「範馬刃牙」以降は諸説認めざるを得ない)
 雁屋哲氏が美味しんぼの人だと思うのは大間違いだ。彼の本質はここにある。

 ただ、チャウチャウとアフガンハウンドの件(くだり)等、誰がどう見ても笑うしかない場面も多々あるため、原作者が連載当時どこまで本気(マジ)で考えていたのかは本人に訊く以外どうしようもない。
 また、途中で所謂パワーインフレを起こしているうえ、同じ展開が繰り返されるため、ダレないとは言い切れないのが難点ではあるが、読了後はそんな些細なことは気にならないのである。

 雁屋氏には腐敗しきった今の時代にこそ続編を書いてほしいものである。