昔から同じようなシチュエーションの夢はたまに見るのですが、3日連続で見たので。

　気づくと、どこだか分からないがホールの指揮者楽屋にいる。楽屋から出ると、広い廊下に立派なロビー、ドリンクカウンターに大きなホールと何でも揃っている。どうやらどこかのオケの本番を振る直前らしい。らしいというか、夢を見ている時点では当然の事だと思っている。

　今日の本番はベト8。少し前に本番で振ったばかりだから大きな不安はない。いつも通り振るだけだ。

　ホールをウロウロしていると、知っている人たちとすれ違う。誰だかは忘れたが、知り合いが多く乗っているオケのようだ。ホールを一回りした頃、奏者楽屋から曲が聞こえてくる。アルメニアンダンスだ。

　なぜ今アルメニアンダンスをさらっている？　まさかアルメニアンダンスが中プロに入っているのか？　どうやらそのようだ。聞いてない。というかベト8以外の曲は？

　アルメニアンダンスなんて1ページ足りともさらっていない。そもそもリハーサルをやってない。ぶっつけ本番で振れと？　しかし受けた仕事、今更振れませんとは言えない。降りることは出来ない。本番までの短い時間でどうにかしなければ。あと何分あるんだろう。MAXスピードでさらえば体面だけはどうにかなるかもしれない。

　スコアがない。誰か持ってないか。持ってない。詰んでいる。無茶にもほどがある。でもスコアを忘れたのはきっと自分のせいだ。このまま舞台に上がっても何も出来ないだろう。まな板の鯉だ。

　と、この辺りで八方塞がりになって死にたい気分になってくるのですが、夢の中でも自己防衛として現実逃避能力が働くのか、こんな事が現実のはずがない。こんなおかしな話があるか。いや、ない。これは夢だ。夢なんだ。というか夢じゃないか、これ。と夢である事に気づくんですね。で、安堵してしばらくすると目が覚めるという。夢とはいえ心臓に悪すぎます。

　皆様におかれましては、本番当日にいきなり知らない曲やってくれとか勘弁してくださいますよう、心よりお願い申し上げます。