どうも嘘を吐くのが苦手です。
いや、まったく嘘を吐かないわけじゃないんですよ。わたくし、天地神明に誓って生涯嘘偽りは申しませんというつもりはないです。
どういう話かというと、例えば前回のけつおけ!でブラームスの1番をやったわけなんですが、4楽章のリハーサルで、リタルダンド(だんだん遅く)をかけ始める場所を1小節早く記憶してたんです。自分は正しいと思って振ってるわけですが、パート譜を見て演奏している側からすれば、リタルダンドのかかるタイミングがおかしいと感じるわけです。で、トップの小林女史から疑問が呈されたと。
「なんかリット(リタルダンドのことね)のタイミング早くないですか?」
えっ!? と思ってスコアを見ると、確かに次の小節から “ritardando” って書いてある。うわ、これはしまった間違えてもうたと思いつつ、イケてる指揮者はここで動揺などせず冷静な顔をして
「いや、これは私の解釈として云々、だから間違いではなく云々、だけれどもやっぱり楽譜通りにしようか、それがいいねニコッ(白い歯を見せる)」
とか言って誤魔化したり出来るわけですが、どうしてもこういう嘘を吐くことが出来ず、また残念ながら自分がやってもただただキモいだけなのは明らかなのであります。これが出来るようになると、ハッタリかませるようになって色々便利な気がするんですが、いつまで経っても出来る気がしない。で、
「うげ! ホントだ! 間違って覚えてた、すまんすまん(笑)」
とか言ってしまうわけです。
もうね、こんなだからね、打ち上げでは先に自分が座った島じゃないテーブルから埋まっていったり、常に下座に位置して店員さんが持ってきてくれたビールを「はいビールの人~。誰~。誰もいないなら飲むよ~」とか言いながらジョッキを回す係になったり、誰も個別に乾杯に来てくれないから自分から乾杯行脚の旅に出たりするハメになるわけですよ。アルコールが入った状態で立ったり座ったりする人間の身にもなっていただきたい。
いいか、指揮者は全知全能の神だ。指揮者は絶対君主である。指揮者には敬意を払わねばならぬ。指揮者には気を遣わねばならぬ。指揮者には乾杯に来なければならぬ。指揮者にはビールを注がねばならぬ。指揮者のグラスを空にしてはならぬ。発泡酒はダメだ。これらがわからぬやつは一人弾きだ。一人で30分でも40分でも弾かせる。管楽器は唇が再起不能になるまで吹かせる。よく覚えておけ。
例えが音楽でしたが、音楽以外のことでもそうで、嘘を吐けば済むような場面でも吐けないことの方が圧倒的に多いんですね。もう少し世渡り上手にならねばいかんかなあと思いつつ、元来の性質であれば難しいし、別にいいかとちょっと達観しております。まぁ、嘘吐いてその場を取り繕っても、後からボロが出るだけな気がするんですけどね。
あと途中の2~3個のパラグラフは無かったことにしたいと思います。今後とも何卒よろしくお願いいたします。>関係各位
>いいか、指揮者は全知全能の神だ。
の段落の「には」や「の」を「は」に変換すればOKですねwwwwwww
異論ございませんw