五輪をめぐる炎上劇だが、オリ・パラの理念からすれば、今回の内容は容認できるはずもないだろう。音楽家も絵本作家もやむなしだ。
辞任は当然だろうと思う一方、安全な場所から大勢で一人を吊るし上げることについては、やはり賛成できかねる。
まさかの続投判断に驚いていたが、結局世論を無視できず、辞任という判断に至ったといった結末だった。
逆に言うと、今の日本の政治家、お偉いさん、立場のある人々は、事態がここまで悪化しなければ、ぬるぬると言い逃れや形だけの謝罪を繰り返すことで、問題が回避できると思っている。そうして、いずれ問題自体が忘れ去られ、無かったことにできると思っている。
その構造こそが、炎上や吊るし上げが起こる要因の一つになっているのではないかと感じる。そういった状態にまでならなければ、まともな対応をしようとしない。
到底世論からの理解を得られないような事象に関し、私刑や吊るし上げになる前に、きちんと民意を吸い上げ、対処できる仕組みや、民意を正しく察知し、汲み取り、間違った方向へ進まないよう舵取りが出来る、人の心を持った権力者が必要なのではないかと、今回に限らずいつも思う。昨今の政治家、権力者の行動や発言は、血が通っているようには到底感じられないのだ。
上級国民という言葉を耳にするようになって久しいが、これこそまさに、権力者は下々の一般市民の声など聞くつもりがないのだということが、世の中に広くバレてしまった、またはそう感じる市民が増えてきているが故なのではないだろうか。