フードファイターに想ふ

 私は以前からフードファイトが好きです。小林尊さんは日本が誇るべき人物だと思っています。私は野球が好きだから、海外で活躍した人といえばイチローさんを挙げますけど、ゆうにイチロー超えを果たしている日本人でしょう。そして現在、日本で活動している人の中で最強は恐らくMAX鈴木さんではないでしょうか。
 それに加えて、最近流行り出した激辛チャレンジも好きです。今激辛最強なのは恐らく安田さんでしょう。

 そんな大食いに対して若干違和感もあって、

 というのも、どう見ても食べ切れない量を出して、挑戦状だとか言っているわけです。それで、フードファイターの方は好感度ダウンや炎上を避けなければいけないので、食べられなかった自分が未熟だとか、こんなすごいメニューに出会えてよかったとか、そういう美談を言って終わるわけですね。
 でもそれっておかしいでしょうよ。店とフードファイターの戦いみたいな構図になっていますが、店側は絶対に食べきれない量の(例えば)麺を茹でて出せばいいだけなんだから、何の苦労も無いのでは。そりゃ作るのが多少大変かもしれないけど。
 特にラーメンなんて作りっぱなしだから、麺が最後どんな状況になるか分かるわけですよ。それもう違う食べ物だよねと。食べきったら新しく茹でておかわりってやってるのをほとんど見たことがない。テレビの競技ではやってますけど。YouTubeだとほとんど作りっぱなしで終わり。その後は他の人を接客している。そんな勝負はないでしょう。勝負だというならその態度は失礼だ。

 それに対して、フードファイターも素直に、こんなもん食えるかよ! もうちょっと考えて作れよ! と言わなければいけないのではないかと思います。
 もちろん、無理だと思われる量に挑戦して、それを越えていくというのがいいと思うのですが、絶対無理なものは分かると思いますね。そこの見極めもプロの力量なのではないでしょうか。
 棒高跳びの一流選手に10mのバーを用意して、さあ飛んでみろと言ったところで飛べるはずない(現在の世界記録は6.15m)んです。飛べないのを見て何が楽しいのか疑問です。そんなの見て感動しますか?

 店側の安易な考え方、挑戦者が無理と言わないという要因の他に、しょうもないコメントをつける人たちの影響も大きいと思うのです。何を言っても、逃げ道を用意しておかないとすぐ炎上扱いされてしまう。そりゃ、おかしなことを言っていればそうなるのも仕方ないですよ。でも、そうではない、正当なことを言っても、自分の意にそぐわないというだけで反発、批判する人が大勢いる。それでもう、プロもアマも萎縮してしまって、言いたいことが全く言えない。綺麗事しか言えない世の中になってしまった。逆に、わざと反社会的な行動をして人気を集める人たちと二分されてしまった。
 丁度いい塩梅というゾーンが消えてしまっている気がします。これはつまらないですよ。反社会的な行動なんて見たくない。かといって綺麗事だけの世界も見たくもない。世の中はグレーなんですから。
 せっかく誰でもコンテンツを作って配信できるようになったんだから、その人の人柄が出ている素直なものが見たいなぁと思います。

 嘘で取り繕わなくてもいい世の中になってほしいなぁと願っております。