指揮者の矛盾

 久しぶりにYouTubeチャンネルに指揮動画をアップしました。リハーサルの動画です。

唄いました→人気出る
演奏しました→人気出る
絵を描きました→人気出る
曲を作りました→人気出る
指揮をしました→全くと言っていいくらい相手にされない

 これが指揮者の辛いところだなぁ。
 世間一般の方々は、余程良く観察してくださる方でもなければ、指揮してる姿を見たって何がいいのか何が悪いのか分からないし、好き嫌いも判断しようがないって話なんですよね。それこそ、超有名になって、指揮ではなくて情報を消費されるくらいにならないと。でも可愛い女の子が水着で指揮してたら再生数爆上げなんでしょうな。そういう世の中だ。一応、世間の皆が思っているよりは大変なことしてるんだぞ!(多分)
 なんてことを言いつつ、それもそのはず、指揮者の価値というのは、お客様の前で披露する演奏が全てなわけだから。音楽のために指揮しているわけで、指揮のために指揮しても意味無いんだから、指揮を見せたってどうしようもないよねと。そりゃそうだ。でも動画とか何も公開出来ない、しないのは悲しいじゃないですか。このネット全盛の時代に。ううむ。
 いやぁ、しかし指揮者って本当に楽団が無いと存在価値が全く無いですよね。そんなこともちろん知ってはいたけど、コロナで改めて身に沁みて分かりましたぞ。
 一番強いようでいて誰よりも弱い。孤高の存在なようでいて一人じゃ何もできない。それが指揮者だ! この矛盾! そういうのもあるのか。そういうのがいいんだよ。
 というわけでYouTubeで動画見てネ。チャンネル登録もしてちょうだ~い。(財津和夫)