先月は色々と忙しく歌舞伎座に行けない月だったものの、偶然一日だけ空いた日に当日券で念願のコクーン歌舞伎を見に行ったら奇跡が待っていた。
当日券購入等で早めにシアターコクーンに到着したので、喫茶店を探して周囲を歩いていたら、前から梅枝さんが! うわー梅枝さんだーと目で追いかけ、振り返って歩き始めたら、今度はなんと(片岡)亀蔵さんが! 思わず「亀蔵さん、頑張ってください!」「今日楽しみにしてます♪」とお声がけ。目が合っただけの時点では「ん? 誰だろう。お客さんかな?」という若干不審そうな目で見られていたのですが、お声がけした途端に笑顔で「ありがとうございます」とお返事くださる気さくな亀蔵さん。亀蔵さんは大好きな役者さんですが、改めてファンになり申した。
ようやっとのことで喫茶店を見つけ、コーシーを飲んでいると当日券販売の時刻になったので、窓口に向かう途中……。なんだか人が集まっていて、テレビっぽいカメラが来ている。これは……? と思い近づいていくと、なんと楽屋口で七之助さんにまさかの遭遇! びっくりした~。横を通り過ぎながら写真をパシャリと。
七之助さんを歌舞伎の公演中以外で生で見たのはこれで3回目くらいかな? 歌舞伎を見始めて3年目なので割と多い?(笑) とにかく「細い!」の一言。自分も痩せようと思ったよ。
さらにさらに全然知らなかったのですが、なんと見に行った日が七之助さんのお誕生日だったそうで、終演後のカーテンコールで舞台にバースデーケーキが出てきてお祝いが! Happy birthday to you♪ と会場で一緒に合唱してまいりました。
今回のコクーン歌舞伎「切られの与三」は勘九郎さんがNHKの朝ドラ出演の関係でお休みのため、七之助さんが主役。普段女形しかやらない七之助さんが最初から最後まで立役を演じる貴重な舞台。ところどころで披露される七之助さんの見得、キマってました。
第一幕でお富(ちなみにこのお富さんが「死んだはずだよお富さん♪」のお富さんで、この演目が曲の元ネタになっています)に一目惚れするシーンがあるのですが、その瞬間にお父さん、勘三郎さんの面影を見たのは私だけでしょうか。
中村勘三郎の名跡はこのまま行けば勘九郎さんが継ぐのは確定的なわけで、勘三郎と比較されるのはどうしても立役である勘九郎さんなんですね。顔も立ち居振る舞いも似てるし。
去る2月にシネマ歌舞伎で勘三郎さんの「籠釣瓶花街酔醒」を見まして、その劇中に主役(勘三郎さん)が花魁に一目惚れする有名なシーンがあるんですね。その場面と見事に重なりまして、まるで乗り移っているかのようでした。お父さんに似ていると言われて当の御本人たちが嬉しいのかどうかは私にゃあ分かりませんが、これはやっぱり血を引いているぞ(当たり前ですが)と強く思った瞬間でした。
しかし舞台はやっぱり一回じゃ見きれないですね! あと3回は見たかった! ってそんなお金も時間もあるかーい! とはいえ映像になってしまうと切り捨てられてしまう要素がたくさんあるので、やっぱり舞台芸術は生で見るに限ると思うのでありました。逆に映像では舞台では迫れないくらいの近距離のカットが見られたりして、表情の一つ一つまではっきりと把握できるので、どちらも見たいですね。
当日券もいい席が取れたし、なんだか本当に色々な奇跡が重なった嬉しい楽しい一日でした。
コクーン歌舞伎 切られの与三
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/18_kabuki/