特に見るわけでもなくテレビジョンをつけていたら、なんだかの番組でデーブ・スペクター氏が外国のニュースを紹介しておりました。
なんでも「シルベスター・スタローンがガスステーションで給油をしていたら、一般人が運転ミスで超高級な愛車にぶつかってきた。車体に傷をつけられたにも関わらず、何も聞かずに握手と挨拶をして颯爽と去っていった」ということだそうで、それを器が大きいとスタジオで出演者が賞賛する流れでありました。
これはですね、私はパッと聞いただけでおかしいと思うわけです。
百歩譲って、ぶつけられたのに怒りや困惑の表情一つ見せなかったというのは、確かに人間ができていると思います。が、ここで考えなければいけないのは、スタローンはスーパースターであり、超がつく大金持ちであるということでしょう。
考えてみていただきたいのですが、例えば自分は100億円持っている富豪ですと。で、1,000万円の車に傷つけられましたと。ああ、そんなのちょっとお金を出せば修理できるし、ダメでもまた買えばいいや。そんな感覚だと思うんですけどね。
逆に、どうしても欲しくて仕方がない車があって、一生懸命お金を貯め、財産はたいてようやく買いました。これが壊れたらもうどうしていいのか分かりません。傷つけられたら修理代も大変です。という状態でぶつけられて、怒りもせず狼狽もせず立ち去ったなら本当に仏のような人間と言えるかもしれませんが、スーパースターの感覚と一般人の感覚をごっちゃにして、そこにスポットをあてずに賞賛するというのはちょっと浅すぎるんじゃないですかねと思った次第です。
まぁ私がひねくれてるだけなんですけどね。