つくづくアイドルと言うのは大変なのだなあと思うわけです。
ファンあっての仕事、特に女性アイドルが、恋愛禁止ですとか、少なくとも表には出すなですとか、そういった制約を受けるのはまぁ仕方がないと思うのですよね。本人もそれを承知でアイドルを演じているのでしょうし。とはいえ人間の感情を契約で完璧に縛れるのかというと、それは無理でしょうと。実際、人気アイドルが後年、「実はあの頃お付き合いしてました」などと言う事例はゴマンとあるわけです。
事務所もファンもそれを承知で、一つのブックとして楽しめばよいのではないかと思うわけですが、それはまぁ置いておくとして、時としてスキャンダルが発覚してクビだの引退だのと騒ぎになる事があるのは皆様もご存じであろうと思います。
そんな事はわざわざニュースにするものでもなかろうと思うのですが、Yahoo!ニュースのトップにそのような記事がきておりまして、なんだろうと思ったら想像を超えておりました。
“事務所がアイドルを訴訟”“ファンに損害賠償請求”…メチャハイ騒動に対するアイドル業界の反応
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140821-00010000-otapolz-ent
「事務所がアイドルを訴訟」といった大変趣深い日本語がタイトルや本文中に複数回出てくるあたり、「市原指揮者があなたを電話」的な言語空間が形成されており、あっ、これは1文字単価1円くらいのアルバイトなのかな、などと関係ない部分を勘ぐりたくなるわけですが、要はファンと恋愛をしたら事務所をクビになったでござるという事なのかと思いきや、斜め上を行く措置が取られた模様です。
3月に体調不良を理由に脱退した元メンバーの結城美帆と美浦聖奈の本当の脱退理由が、特定のファンとのつながっていたためだったと説明。プロデューサーは、その場でファンの実名までも明かしたという。
プロデューサーは、その場でファンの実名までも明かしたという。
その場でファンの実名までも明かしたという。
ちょっと何言ってるか分かりません。
しかし、同日17日夜にはさらに驚くべきことが起こった。なんと、元メンバーの美浦聖奈と繋がっていたと思われるファンが、Moving Factory から823万2400円の損害賠償を請求されていることや恐喝まがいの行為を受けていることを、自身のブログで明かしたのだ。
Moving Factory から823万2400円の損害賠償を請求されていることや恐喝まがいの行為を受けていることを、自身のブログで明かしたのだ。
823万2400円の損害賠償を請求されている
ええと、何をどう突っ込んだらいいのでしょうか。
アイドルや親御さんに対して契約違反だと損害賠償を求めるのはまぁ分かります。しかし一般人であるファンに対して実名公表や800万円もの損害賠償を求めるのは、ちとマトモな感覚ではないなあと思う次第です。そんなの事務所ぐるみの美人局とかやりたい放題じゃないですかーやだー。
訴え自体が無理筋だとは思うのですが、仮に訴訟の結果、800万円の賠償が認められたとしても、ファンに財産が無ければ取り立てもできず、支払わせる強制力があるでもなしというわけで、事務所としては得るものよりも失うものの方が圧倒的に多く、戦う前から負けが確定しているという事例ではないかと思う次第です。それどころか、逆提訴される可能性が微粒子レベルで存在する案件ではないかと。
炎上商法の可能性も多分にあるわけですが、このような行動が長期的に見てプラスになると判断したのか疑問です。一時的に話題にはなっても、1週間後に覚えている人はほとんどいないでしょうし、そこから新しくファンがつくとは到底思えませんけども。むしろ世論はドン引きじゃないですかね。どんな判断だ。
とはいえバイキングの低視聴率がニュースになるよりは健全ですかね。