伝統と文化

 歴史とともに培われてきた伝統を「ぶっ壊していい」などと公言する人間は信用できない。その人にその世界を語る資格は無い。「共存すればいい」なら別だが。
 それを正論だなんだのという意見が多数にな(っているかのように報じられ)ている。世間の価値観は大丈夫なんだろうかと心配になる。

 それが正論ならオーケストラなんてはるか昔にぶっ壊れている。
 DTMが発達したからオーケストラはぶっ壊れていいとはならない。
 麺つゆが旨いから食の伝統をぶっ壊していいなんて微塵も思わない。

 文化は一度滅んだら再興が極めて困難であるからこそ、脈々と受け継がれてきたもの。
 その後の「各自、自分にあった工夫をして豊かに生きましょう」という部分は賛同すれど、「そんなものぶっ壊せばいい」という発言には毛の先ほども同意できない。
 それはそれ、これはこれでしかない。

 常に注目を浴びないと死んでしまう人たちは極論を言わないと生きていけないのだろう。
 炎上上等のような者ばかり持ち上げ、コツコツと真面目に頑張っている、地味でも凄い人たちが蔑ろにされる世の中はいかがなものかと思うばかりです。