何事も、上手くいっているときは、無意識にこれでいいのだという意識が働き、そこに安住しようとする。ここにいれば楽しい、安心だ、安全だ、このままでいい、このぬるま湯に浸かっていよう。その結果、進歩しよう、進化しようという気が知らず知らずのうちに薄れ、自分では気づいていなくても、新たな挑戦をしなくなる。
常に進化を続けるためには、先に進まざるを得ない過酷な環境に身を置くしかないのだろう。過酷でなくとも、刺激は必要だ。追い込まれないと動かない、私のような怠惰な人間は特にそうだ。数年に一度、そういう刺激を受ける。これも巡り合わせか。だから常に安定しない。極端に言ってしまえば、安定は死だ。歩みを止めたら腐ってしまう。
追い込まれなくとも常に新しいことが出来るのは天賦の才、つまり天才なのだろう。私は少なくとも天才ではない(誰もが分かっているとは思うが)。追い込まれて生み出す、ごく普通の人間なのである。いや、むしろだめな方向の人間だ。それでもなんとか色々やってるあたり、どうにかなるものだ。