清原氏覚醒剤で逮捕について


 以前から怪しいと言われ続けていた清原元選手が覚醒剤で逮捕されたわけですが、「ああ、やっぱり……」という思いがある一方、ある種の確信も持っております。

 私はカウンセラーや心理学者ではないですし、知っているのはプロ野球に興味がある人なら誰でも知っているような情報ばかり。全ては勝手な憶測であり、単なる感傷的な文章であろうということは先にお断りしておきます。

 なぜ覚醒剤に手を出し、そしてやめることが出来なかったのか。私は清原氏は見たことも話したこともありません。完全に憶測の域でしかありませんが、心を許せる人がいなかった。覚醒剤以外に自分を癒やしてくれるものが無かった。それに尽きるのだと思います。

 原因こそ分かりませんが、彼は疑心暗鬼になり、孤立し、誰も信用できなくなっていた。そんな心中が伝わってくるんですね。なんとなくですよ。孤立した原因として本人の責が無いとはもちろん思いません。自分の人生である以上、そのほとんどが自分の責任でしょう。手を差し伸べてくれる人はいたはずです。しかしその手を自ら拒絶した。何度か浮上するチャンスはあったに違いないです。でも、そんなこんなを繰り返しているうちに誰も寄り付かなくなる。さらに孤独は深くなる。世間の誰もが自分の敵だ。

 最終的には誰も信用できなくなっていたのではないでしょうか。現役時代にの経験が下敷きになっている可能性も大いにあると思います。彼の引退後の言動を見ていて、プロ野球界そのものに対しての憎悪や恨みつらみを強く感じていました。他人から見たら大したことではなくても、当人にとっては許しがたかったり、一生心に傷が残り続けるような出来事というのはあるものです。それを理解し、一緒に消化してくれる人がいなかったのではないかと思います。

 彼にとって唯一の拠り所、自己の存在を証明してくれるもの、癒やしを求められるものは子供だった。しかし離婚を期に自由に会うことができない。これは本当に辛かったろうと思います。ただ、これもある意味では自業自得なわけです。

 結局、本当の理由なんて他人には分かりません。逮捕の報を聞いたときには、「覚醒剤なんてやる方が悪いのだから仕方がないだろう」くらいに思っていたのですが、日が経つにつれて、どうにもやるせない気持ちになってくるんですね。

 彼がもし重度のゲームオタクだったら、ずっと家に引きこもってゲームをしているだけで済んだかもしれません。映画オタクだったら……寺社オタクだったら……。ハマってしまったものが覚醒剤だった。なぜ覚醒剤に引きこまれてしまったのか。それだけが返す返すも残念です。

 で、私は思うのですが、もし皆さんの周りに孤立してどん底から抜け出せない人がいたら、どうにかして深い闇から引きずり出してあげてほしいなと。

 自分自身も相当ねじ曲がっているので分かるのですが、人の助けが欲しい時ほどいらないと言ってしまったり、落ち込んでいる時は誰もが敵に見えたり、被害妄想に陥ったり、誰も信用ならなくなったり。そんな時に自分の傷ついた心を助けてくれる何かが目の前に現れたら、すがってしまうものだと思います。人間はとても弱いです。自分は強いと思っている人も明日は我が身です。

 願わくば、その時にすがる対象が薬ではなく、「良い人」であってほしい。そう思ってやみません。そういう状況にある人は、自分から助けを求められないものです。ですから、誰でもいいです、その人に近い誰かが声をかけて気にしてあげてほしい。気にしてるよというサインを送ってあげてほしい。自分の存在を気にかけてくれている人がいるという事が伝わるだけで心は救われる。態度に出さなくても必ず。その積み重ねが、いつか凍った心を溶かすのではないかと。そんな風に思うのです。

 友達が多ければいいとは思いません。心を許せる友達なんてほんの少しでもいいと思っています。ですが、どうしても辛い事があった時に無様にでも助けを求められる相手が一人でもいれば、恐らく間違った道へは進まずに済むのではないかと思う次第です。

 清原氏にはそれがいなかったのでしょう。それだけの話だと、私は思うのでした。

 いずれにせよ、犯してしまった罪を償い、社会復帰されることを切に願います。