家系ラーメン紀行 #03「どんとこい家」

 しばらくぶりに訪れる駅。用事を済ませると昼食の時間になっていた。何か新しい店でもできていないかと検索すると、見慣れない家系ラーメンができていた。

 この店、まさか家系ラーメンだと思う人はいないだろう。私も土地勘があり、さらに地図を頼りに店の前まで行ったのだが、気付かずに通り過ぎてしまった。いや、確かにこの場所のはずとよく見てみると、「ラーメンやってまっす」の看板。とてもじゃないが家系ラーメンには見えない。

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▲あなたはこれが家系ラーメンに見えるだろうか!

 それもそのはず、昼間だけ家系ラーメンとしてオープンしており、夜はバーなのだそうだ。バーで出てくる家系ラーメン。果たしてどんなものなのだろうか。

◆店構え
 悪いとは思わないが、まず気づかないし、知らなければ入ろうという気にならなかっただろう。

◆値段
 破格の500円。久しぶりに驚いた。小ライスが100円なので、合計600円で家系ラーメンが食べられる。まさに理想。ライスが不要ならワンコインだ。コストパフォーマンスは数ある家系の中でも最高ランクと言っていいだろう。

◆卓上調味料
 最低限の用意。

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▲至ってシンプル。

◆ライス
 至って平常。心配無し。

◆チャーシュー
 ほどよく脂身がついた柔らかい肉。肉自体にそれほど味付けはされていないが、スープとよく合う。

◆スープ
 一口飲んだ瞬間に初めての体験。元祖家系とは違う路線である濃厚系のスープなのだが、偽家系路線とは別物の、良い濃厚白濁系スープ。これは家系の家系たる部分を残しつつも家系からはみ出している。独自に研究したオリジナルのスープだ。ここでしか味わえないだろう。オリジナルは何にも勝る。濃厚なのだが飽きない。素晴らしい。

◆麺
 中太平打ち麺。これぞ家系という感じ。

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▲ネギが特徴。

◆その他
 バーのカウンターを利用しているので、店内の内装はまったく家系を感じさせない。むしろ洒落た空間に戸惑うほどで、ラーメンを食べにきたという落ち着きを感じることはないのだが、どうして出てきたラーメンは間違いなく家系ラーメンだった。このギャップを味わえる店もなかなか無いのではないだろうか。

オススメ度 ★★★★☆

★……………最低。家系の面汚し。すぐ潰れた方がいい。
★★…………悪い。わざわざ食べに行く必要があるか疑問。
★★★………基準。なるほど家系である。
★★★★……良い。近所にあれば贔屓にしたい。
★★★★★…最高。これを食べずして何を食べるのか。