またしてもアマオケのコンサートが中止になりかける事案が発生


 なにやら黒煙が立ち上りかけているようなので。

 詳細は書きませんが(と言っても分かる方にはすぐ分かるでしょうが)、あるオーケストラが、本番の開催中止の判断をする瀬戸際に立たされているらしいです。なんでも参加者数が見込みと大きく乖離しているとか。要するに、奏者が集まらないから演奏が出来ない、参加者が集まらないから演奏会費用が足りない、このまま増えないのであれば中止にせざるを得ないと。まぁそれはそうなのかなと。

 前回の本番などを見ていないので詳細は存じておりませんが、あるアニメの曲を管弦楽で演奏するという企画オケで、第1回は奏者も集まり、700人近くを集客し満員となり、ネットニュースにも取り上げられ大成功に終わったそうで、密かにおめでとうございますと思っておりました。運営されていた方々は、オーケストラ運営のノウハウをまとめた本まで出されたそうです。すごいですね。でまぁ、今回第2回を立ち上げる事にして、いざ蓋を開けてみたら人出が不足しておりますと。

 私は本を出すほど人様にアドヴァイスできる実績は微塵も無いのですが、2009年からけつおけ!の運営、制作に携わり、なんだかんだで次回で5回目のコンサートを迎えますし、日本BGMフィルの活動もありましたので、それなりにオケの運営と言うものを経験しております。それ故に色々思うところもあるのですが、それはまたいずれ。

 とりあえず、現状人が集まっていないという事で、運営の方々は「営業不足」という言葉を使用しておりますが、いくつか考えられると思うのですよね。

1. 営業不足
2. 需要不足
3. その他の要因

1. 営業不足

 運営が自ら仰っている事で、告知の努力が足りず、潜在的な参加者に情報が行き渡っていないという事ですね。まぁ謙遜と申しますか、外部に責任を求めるわけにも行きませんので、自らに非があるという言葉が出てくるのは仕方がないところでしょう。

 現在募集中の奏者数を見ますと、弦楽器が最も厳しい状態であると推察されるわけです。何型を想定しているのか分かりませんが、3管編成という事ですので16型と見るのが妥当でしょうか。現時点でVn.1が10名、Vn.2が7名、計15名不足というのは、必要人数の半分程度の状態であると。全90名予定で48名不足というのも達成率が50%未満ですので、厳しい数字だと思われます。

 営業不足もあるのかもしれませんが、少なくとも前回参加者にはインフォメーションがなされているはずで、運営側には引き続き参加する奏者がそこそこいるだろうという見込みがあったと思われますので、蓋を開けてみたら想像以上に少なかったというのは大変な痛手だと思われるところです。

 ですので、営業不足も去る事ながら、なぜ継続参加者が集まらなかったのかが一つの鍵になりそうですかねと。

2. 需要不足

 聴き手の需要があったとしても、演奏側の需要が不足しているという可能性もあり得ます。

 該当企画に賛同し、参加費を支払って参加しようというオーケストラ経験者の数は前回が最大だったという見方ですね。本当はピークだった状態に対して、まだ伸び代があると想定してしまうと、こんなはずじゃなかったという状況に陥ってしまうのかもしれません。

 昨今のコンテンツ産業は往々にして一過性のブームである事が多いですから、該当のアニメ作品にしても、人気絶頂の頃であれば振り向く人が多くとも、ブームが一段落して、本当にそれを好きな人たちが愛で続けるような時期になりますと、なかなか大きな盛り上がりにはなりづらいのではないかと。ああ、あれ知ってるけど今はもうそこまではねぇ……的な人がいても全くおかしくはないぞと。

 ですから、もし聴きたい人がいても提供する側がいないという事であれば、悲劇であるなぁと思う次第です。

3. その他の要因

 これは外からは全く分かりません。想像でしかないのですが、参加費が高いですとか、関西公演というところに要因があるですとか、何かブレーキになっている事柄があるですとか、中の人が検討して潰していくしかないでしょうね。

■ 結局

 これが聴く側へ何か求められる事であれば、また話が違うと思うのですよね。クラウドファンディングとかそういう感じで。「コンサートをやりたいがどうしても資金が足りない。お客さんからカンパしていただきたい」であれば集まらない事はない気がするのですが、「人が足りないから参加者が増えなければ解散」という事を「重要なお知らせ」と銘打って外部にアナウンスするのは、なんかこう、もう少し上手い言い方があったようにも思わないでもありません。重要なのはオケにとってであって、外野にとってそれは重要なんですかという、いらぬ反感を巻き散らしてしまいそうであります。

 また、コンサート開催にウン百万かかるなどという情報は果たして開示すべきなのかという疑問の声をちらほら耳にいたしました。資金調達であるとか、数百万必要ですとか、もはやアマオケの活動から逸脱してるんじゃないですかねと。うちのオケではコンサート毎に運営費が200万かかってますなんて話はちょっと聞いたことがありません。マネジメントが出来る方の戦略だとか、アマオケの新しい在り方であると言えばそれまでなんですが、なんだかモヤモヤしたものを感じている方が多いようです。

 中止になった場合は運営チームに多額の自費補填が待っていますというのも、外部にしてみれば重要ではないわけで、そりゃあなたたちにとって重要な事なのでしょうという感想を抱いてしまう人が少なからずおりますようで、逆効果なのかもしれないという気もいたします。

 無論、そのような告知をする事自体、苦渋の決断だったと思いますし、それだけに切迫感が伝わってくるものではありますが。

 こうなりますと、あとはもう、そんなに危ないなら手伝おうかという同好の士がどれだけいるのかという話になるわけですが、あのオケ危ないらしいから、数万円の参加費を払って助けてあげようという人がどれくらいいるのかと考えますと、なかなか簡単ではないように思います。残り日数を考えますと、広く募集をかけてそれに頼るよりも、人脈でどうにかこうにかするのが最善策であると思われます。

 通常ですと人が足らない場合はエキストラを招集する事になるのであって、参加費無しでの参加をお願いするか、謝礼をお支払してご参加いただくかのどちらかになると思われます。ですが、プロであっても出演は無料、そしてエキストラで間に合わせるのはファンイベントとして避けたいという意向のようですので、なかなか状況は厳しそうではありますね。

 そもそも、3管編成のアマオケのコンサートで200万強もかかりますかねという気がしますが、果たして。どこにそんなに費用がかかっているのか予算を拝見したい気分ではあります。必ずやどこかにボトルネックがあるのではないかと。

 そこでふと思ったのはですね、クラシックではなく、著作権が生きている音楽のコンサートであり、著作権法が絡んでいる事が、こういう事態が起こっている一因の可能性もありますねと。運営としては、著作物がもっと自由に使えたらな、縛りから開放されたらなと歯噛みする思いがあるのではないかと推察されます。お察しいたします。

 ともあれ、聞きたいと思っている方々がいる以上、中止というのは悲しい結果ですので、無事に開催が決定するといいですねと願ってやみません。ご興味のある方は参加を検討されてみてはいかがでしょうかとまとめたところで終わりたいと思います。

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