うそはうそであると見抜ける人でないと(インターネットを使うのは)難しい、のかもしれません


 と言ったのはかのひろゆきですが、当時は某掲示板内だけの話で済んでいたのが、もはやそこに留まらず、ごく一般のネットユーザーにまで該当する話になっているのが非常に怖いと言いますか。

 トゥイッターでもフェースブックでもなんでもそうなんですが、お、これはすごいと思った情報の真偽を確かめることなく周囲に伝播させてしまう行為は、実は非常に危険だと思うわけです。

 ですが、例え正しくない情報であると気づいたとしても、それを指摘しますと、面白いからいいだろ大きなお世話だと言わんばかりに人間関係悪化の一途をたどる事が懸念されるため、多くの方はスルーしているのではないかと思うわけです。まぁ、誤りを指摘した程度で悪化するような人間関係など不要だと思わないでもありませんが。

 こんな事を書いたのも、「伏せ丼」という単語を久しぶりに見て、なんとなく思うところがあったからでして。

 伏せ丼というのは、主にラーメン屋において、スープの一滴すら残さず食べました、とても美味しかったですという意思表示として、作り手への敬意と感謝の気持ちを籠め、食べ終わった丼をテーブルに逆さまにして置くという風習を指すのですが、ある時突如ネットに湧いて出てきた概念であり、ルーツを辿ってみると、どうもネタの書き込みが元であり、実在しないものであると。

 伏せ丼という実際には存在しない風習を、あたかも真実であるかの如くネタとして書き込み、周囲もそのネタに乗ってワイワイやっていたところ、悪乗りして実行した写真をアップするものが現れ、いつの間にか実在する風習だと認識している層が誕生したという事案ですね。嘘から出た真とはまさにこの事でしょうか。怖いですね。

 こうした事案で怖いのは、ネタをネタとして分かっている層がバカをやっているうちは、伏せ丼をした写真を撮って元に戻して店を出ればよいだけですのでまだいいのですが、本気でそのまま放置されれば店にとっては大迷惑なわけで、全く嬉しくもない単なるマナー違反の客という認識になるわけです。そこで、え、伏せ丼知らないのなどという事になれば非常にややこしい事態に発展するのは必至でありましょう。そもそも、そのような異常な行為は、常識のある人であれば例え事実だと思っていても実行しないと思うのですが、世の中には常識を持ち合わせた人間だけがいるわけではありませんので、やはりよろしくないぞと。

 実在のものであると認識している層が増えてきますと、実行するしないに関わらず、ネット界隈では伏せ丼擁護派と反伏せ丼派による誹謗中傷合戦が勃発してきたりして、実在しないものについて本気の喧嘩が始まるなどという意味の分からない事態になるわけでして、全く持って無駄な血が流される事になるわけです。そんな事を考えたりしますと、情報を上手く操作できれば、対立構造や仲間割れの状況など、いとも簡単に作り出せてしまうのですよねと、背筋が寒くなる思いがするわけです。

 アフィ系ブログの、PV稼ぎだけを狙ったインチキタイトルを見て脊髄反射するというのも、似たような構造のような気がします。タイトルだけで反応するのか、きちんと内容まで見るのか、さらに元となるソースを見て精査ができるのか。そこは一人一人がきちんと見定めねばならない時代じゃないですかねと。逆に、それが出来ないのであれば、あなたの人生は簡単に他人に利用されてしまいますよと。大袈裟ではなく、そういった類の話であるようにすら感じます。

 そういう意味では、虚構新聞辺りが情報リテラシーの一里塚になってくるのかなという気がいたしますが、虚構新聞ですらガチで上手い記事を出してしまいますと、逆ギレする層が多数いるようですので、ネットがこれだけ一般化した現代において、万人に対して一定以上のリテラシーを求めるというのはやはり無理ではないかと思うわけです。

 ではどうしたらいいのかと言われますと、大人はもう手遅れだと思うのですよね。「伏せ丼とかすげえw」、「伏せ丼今度やってみるわwww」などと草を生やしている者を見かけ次第射殺というわけにはいきませんので、「いや、それ実在しないから。単なるネタだから」と極めて冷静に諭してあげるくらいしかできないと思われます。

 大人はもう無理であれば、未来ある子供に向け、初等教育の時点からネットリテラシーをカリキュラムとして叩き込み、本気で取り組まねばならないのではないかと。それも、教員の兼任ではなく、きちんと教えられるエキスパートの下で。それくらい、これからの時代においてネットの情報の取り扱いというものは神経を使っていかないと、いずれ取り返しのつかない事になるのではないかと思うのですよ。非のある特定の個人をオモチャにして、他人の人生を平気で崩壊させて大勢が笑っているような状況では、もはや取り返しがつかないのかもしれませんが。

 ネット利用を免許制にせよという考えも耳にしますが、もはや自浄作用に期待が出来ず、大人にも対処しようというのであれば、一つの方策として考えるべきではないかと思います。実際問題、無理だろうとは思うのですが、それくらいの意思をもって対応していくべきでありましょうという意味においては。

 かくいう私も、どれだけきちんと真実を見極められているのか分かりませんけどね。せめて誤った情報を他人に流さないような努力はしていきたいものです。

 要するに、バイキングを見て最新情報を得た気分になっているようじゃダメだという事ですので、早期の打ち切りを切望する次第です。

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