市原指揮者の「サルでも書けるゲーム音楽実演にまつわる著作権についての考え方の提案など」番外編

 デズニーの著作権関連で興味深いお話が出てまいりました。さて、これをどうとらえましょうか。

「黒いディズニー映画」は、どこまでブラックだったか?
http://bylines.news.yahoo.co.jp/saitohiroaki/20140715-00037374/

 映画の内容についてはどうでもよいのですが、興味深いのは著作権周りのお話でしょう。

 パーク内で無断撮影を敢行し、商業映画にデズニーキャラ等が無断使用されているというものですね。そのうえ、

もちろん製作側もその点は重々承知で、この『エスケイプ・フロモ・トゥモロー』がアメリカの劇場で公開されるにあたり、あるカウントを始めました。「本作がディズニー側に訴訟を起こされず、無事でいられる時間」です。つまり製作側は、当然、訴えられると確信していたわけですね。

 著作権を侵害する行為である事を確信したうえの行動なわけですね。著作権法とかよく知りませんでしたではなく、堂々と違法行為であると認識したうえで、どれくらいで訴えられるかという、見方によってはデズニーをからかっているかのような行動をとっているわけで、なかなかロックだなと思います。

 しかしながら結果としては、

しかしオフィシャルサイトによると、現在も、このカウントは止まっていません。39週と4日(2014年7月15日現在)が経過しても、ディズニー側は公式にクレームさえ出していないのです。

 だそうで、それのみならず、

話によると、ディズニーの法務担当者は本作の試写に呼ばれ、無言で製作者側と握手を交わしたそうです。つまり今後も訴訟の動きはないでしょう。

 驚くべき結果と、その後の見解です。

 理由については複数考えられますが、行為だけ見れば、無許諾の著作権侵害である事は明白なはずです。にもかかわらず、どういう事なのでしょう。いつまで警察に逮捕されずに無事でいられるか、などと言って窃盗を行った事をウェブ公開する行為は認められるでしょうか。

 上演、編曲についての考え方のエントリーの続きがほぼできているのですが、ちょうど良い話題があったので先にこちらを紹介してみた次第です。本事案は、著作権とはいったい何なのか考えてみる良い事例になるのではないかなと思った次第であります。

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