【映画】カーズ

 なんというか、名前があまりよろしくないような気がするんですよね。呪われそうというか、ジョジョに出てきそうというか。

 呪われそうに感じる理由はカース(curse)のせいなわけですが、それは置いておくとして、ピクサーの映画なのでハズレという事はまずなかろうと思ったら、やはり期待を裏切らない出来でありました。

 同じくピクサー作品である”トイ・ストーリー”や”ファインディング・ニモ”の舞台はあくまで人間の世界であって、その中で玩具や魚類が意思の疎通を図れるという映画である事に対し、本作は完全に車が人間にとって代わっているわけですね。怖いですね。その辺の予備知識がなかったものですから、冒頭のレースのシーンでその事に気づきまして、これってつまり、我々の世界に置き換えるならマラソン大会が超人気スポーツって事ですよね。車が車に乗って移動するのか……これもう分かんねえな……。とか思いながら見ていましたが、つまり駕籠なのだと勝手に納得しておりました。

 話の筋はまさしくピクサー節であり、安定した面白さを提供してくれますが、敢えて言うなら捻りがないというか、事の発端を見て結末が読めてしてしまうというか。至る所に伏線は張られていますが、ああそれは伏線でこういう風に回収するんですよね、と伏線を見た瞬間に先の展開が判断できてしまうという点においては物足りなさを感じます。別の言い方をすれば、子供にも分かりやすいお話であるわけで、子供に夢と良質なエンターテイメントをという理念なのであれば、素晴らしいものであると思います。ピクサーの理念がそうなのかは知りませんが。

 筋書きに過剰な期待を寄せずに見るならば、子供は気づかないであろうジョークや車に対するこだわりなどが、いたる所に散りばめられていますので、大人でも十分に楽しめる映画であると言えましょう。教訓や道徳的なエピソードも盛り込まれており、子供と一緒に楽しみながら見るにはうってつけの作品と言えるかと思います。

 ピクサーの名に恥じぬ、愛を持って丁寧に作られたエンターテイメント作品だなと感じた次第です。続編があるようなので、そのうち見たいですね。

 あと、吹き替えで見たのですが、ジローラモさんが良かったのと、シューマッハがチョイ役で出てたのが嬉しかったのでありました。シューマッハのシーンは原語で見直しました。

 まだ見てない方にはオススメいたします。

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