オーディション後記 2/4


「ゲームをやった事がない人がゲーム音楽の演奏をして大丈夫なの?」

 と心配に思う方もいるのではないかと思います。私は、ゲームに「触れている方が望ましい」とは思いますが、「触れていなければならない」とは思いません。ベターであってマストではないわけです。今回の募集要項でも、ゲームプレイ経験は必須項目にはなっていません。
 幼少の頃からゲームに触れてきた人間でなければ、プロとしてゲーム音楽の演奏に携わるのは難しいのかというと、そんな事はないと思います。

 例えばですが、オペラを上演する際に、奏者がオペラの筋を勉強せずに演奏する事はまずないと思います。場面、情景、歌詞の内容、様々な事を理解したうえで演奏に臨むわけです。では、現在世界中の歌劇場において第一線でプロとして演奏している奏者は、小さい頃からオペラ三昧で、オペラを友として育ち、オペラを深く知ったうえでプロとして認められたのか。また、そうでなければオペラ通はその奏者の演奏を認めないのか。それは必ずしもそうではないはずです。

 ゲームそのものが嫌いであるとか、認められない人なら話になりませんが、ゲームというものに対して抵抗のない奏者が揃っているのだから、わからない事があれば学べばよいと思っていますし、それができるオーケストラでなければならないと思っています。
 もし実際のゲームプレイの体験が、ゲーム音楽演奏のための条件であるとするのであれば、私たちよりさらに後ろの世代の若い奏者においては、もはやリアルタイムでプレイされることがないようなレトロゲームの音楽を演奏できる人口が減少の一途を辿る事になり、後何十年もすればゲーム音楽演奏の文化は途絶える事になります。それを望む人はいないのではないでしょうか。

 ゲームとは無縁であった奏者の数が全体の二割三割を占めるようであれば、ひょっとすると音楽の面で支障が出てくるのかもしれませんが、今回は全奏者数のうち、隠し味程度にすぎません。さらに嬉しい事に、そういう方からは、ゲームをぜひ知りたい、演奏するならなおさらプレイしたい、クリアしたいという意気込みを聞いています。日本BGMフィルを見るにあたり、彼ら、彼女らのゲーム面での成長を見守るのも、また面白いかと思います。

TO BE CONTINUED…

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