プロの矜持


 この記事なのですが、ずっと気になっていて、でも自分以外誰も話題にしていないからひょっとしてそう思っているのは自分だけなんじゃなかろうかと思っていた事なのですが、どうも自分だけじゃないらしいと判明したのでようやく日の目を見ることになりました。

 最近TVで流れている、和田アキ子さんが出ているパチンコのCMって分かりますか? いくつかバージョンがあると思うのですが、その中で、チャイコフスキーのピアノ協奏曲を和田さんが歌うCMがあります。

「ナーナーナーナー! ジャン! ナーナーナーナー! ジャン!」

 ってやつです。で、最後に決めの音が跳躍するわけなんですが、最も美しく盛り上がらなければいけないはずの一音が、明らかにハズれてるんですよ。どう聞いても上がりきっていない。フラットがかかっていて、気持ちが悪くて仕方がないです。

 もしあれが吉本新喜劇だったら、

「ナーナーナーナーナー ナーーーーー!!!」

 ズデーン!!

 とその場にいる全員がコケてオチてもいいくらいの外しっぷりで、逆にわざとなのかなと思ったりもします。

 そこで思うのは、これ、誰も気がつかなかったんですかね?

 そんなはずないと思うんですよね。歌う方もプロなら、CMを作る方もプロ。ましてやTVであれだけCMを打っているということは、数億というお金が動いているはずですよね?(正しいかどうか分かりませんが)

 じゃあなんであんなCMになってしまったのか。もうこれは想像するしかないのですが、和田さんは、ご自分の発した音が正しくない事にきっと気づいていないんでしょう。コンサートの本番だったら、
「ああ、やっちゃったなぁ。でも仕方ないね」
 と思うのですが、収録はやり直しがきくわけですから、もし私だったら撮りなおすでしょう。だってあれでは恥ずかしくて人前に出せないですよ。プロの大御所歌手を名乗っているのならなおさら。

 じゃあ、ダメ出しをするスタッフはいなかったのか。いなかったんでしょうね。和田さんにNGを出せる人が。それか、音楽に詳しいスタッフがいなかったか。

 他に考えられるのは、時間が無くて一発撮りだったとか、あれくらい分からないだろうとタカをくくって、視聴者をなめてしまったか。

 最近では、録音したあとでいくらでもピッチを修正できるわけですが、それすらしなかったのは何故なのか。

 いずれにしても、モノを作るという行為に対するプロとしての矜持が欠けていたから、ああいうものが出来てしまうのかなと感じました。

 プロとプロが多くのお金をかけて仕事をして、どうしてああなってしまうんだろう。

 なんだかとっても残念な気持ちになってしまうのでした。

 チャイコフスキーもお空の上で泣いている事でしょう。

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